「オンナはオンナである」宣言。フェミニズムは鎧じゃないよ

AbemaTV「Wの悲喜劇〜日本一過激なオンナのニュース〜」プロデューサーの津田環さんが、かがみよかがみに参戦! フランスやスペインへの留学経験もあり、#Metooで自身の体験を告白した津田さんが、日本のフェミニズムについて考えます。
AbemaTV「Wの悲喜劇〜日本一過激なオンナのニュース〜」プロデューサーの津田環さんが、かがみよかがみに参戦! フランスやスペインへの留学経験もあり、#Metooで自身の体験を告白した津田さんが、日本のフェミニズムについて考えます。
「女は女である」
Une femme est une femme
ヌーヴェルヴァーグの巨匠ゴダールが1961年に、女優アンナ・カリーナを主人公に撮り下ろした伝説のフランス映画です。
アンナ・カリーナは、昨年末に亡くなったというニュースが飛び込んできたので、それで初めて名前をきいたというひともいるかもですね。
まー、とにかく、この映画のアンナ・カリーナめっちゃくちゃにカワイイです、ぐうの音も出ないとはこのことですよ。男からみても、女からみても。
さて、この映画、お話がぶっ飛んでおります。
アンナ・カリーナ扮するアンジェラちゃんは、職業はストリッパー。同棲している、ちょっとマジメなカレシに「24時間以内に子供が欲しいの!」と突然言い出します。カレシが躊躇しますと「あらそ!じゃあ他の男と子作りしてくるわ!」と、軽めの男とソッコーでベッドイン。さあ、カレシどうする?
・・なんじゃそら!アンジェラちゃん驚くほど自由~!www
他にもですね、喧嘩をして口をききたくないので、本の表紙の文字をみせて会話しちゃったりします。意識も高い系です!
さて、ポイントは、この映画、いうても軽く60年前にリリースだということですよ。いま改めて見ると、とにかく斬新・・なにがってそのアンジェラちゃんの自由奔放さですよ。
ちなみに、アンナ・カリーナはこのあと、ゴダール監督と結婚しますが、そもそもこの映画のアンジェラちゃんみたく、「脱ぐならあなたの映画には出ないわよ」などなど、ブンブン振り回しまくっております。(結婚生活4年でゴダールと離婚、その後4回結婚して、2008年まで映画監督業もこなしていきます)
さらに言いますと、このあとフランスでは、1968年の五月革命を契機に女性解放運動が始まります。フランスの女優として、日本でもおなじみのカトリーヌ・ドヌーヴなども参加、中絶の合法化などを勝ち取っていくのです。
そう、いまでいうところの#MeToo運動にも似た、またはもっと激しいフェミニズムの波が起こり、女性たちはモリモリ闘いました。
ところで、そんな現在70代となったフレンチフェミニズムの闘士たちは、#MeToo運動に懐疑的です。
ドヌーヴさましかり、アンナ・カリーナしかり。
なんならちょっとお怒りです、なんででしょう?
映画の話に戻りましょう。アンジェラちゃんが、いまでいうところの完全に「メンヘラ彼女」行動をしてもカワイイ~!のは、彼女が美人でスタイルが良いからでしょうか?いーえ、わたしが思うには、それは彼女が自分に正直だからです。
彼女はストリッパーです。包み隠さず、女である自分を見せる仕事です。
彼女は女である自分を、ありのままに女として生きる。
その姿にハッとしたわけです。
おや?60年後のいま、わたしたちはこれほど自由な女でしょうか?
いまフェミニズムは、女にとって鎧のようにも感じられ、このまま武装していていいのだろうか?とちょっと思っていました。
「女は女である」というタイトルは、おそらくはフェミニズムのレジェンド、シモーヌ・ド・ボーヴォワール大先生の「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」へのカウンターというか、オマージュだったものと推測します。
「女らしさ」は押し付けられた感がイヤなのであって、もしそうでなければ、わたしたちはどんな女でいたいんでしょうか?・・ということをフレンチフェミの諸先輩がたは問うているのだな、とわたしは解釈することにしました。
わたしたちは「女から自由になる?」のか、それとも「自由な女」であるか?
どっちでいたいか、どっちもなのか?
そして、わたしたちのなかにどんなに止めようとしても湧き出ている「女らしさ」の泉の正体をみてみたい・・
今こそ「オンナはオンナである」宣言してみませんか?
AbemaTV「Wの悲喜劇〜日本一過激なオンナのニュース〜」プロデューサーの津田環さんが、かがみよかがみに参戦! フランスやスペインへの留学経験もあり、#Metooで自身の体験を告白した津田さんが、日本のフェミニズムについて考えます。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。