押忍!酔いどれフェミ道場にようこそ。
今回はわたしの#MeTooの話をしますね。
いわゆる「ギョーカイ」で働き始めてかれこれ20年近くになってきました。
「ギョーカイ」の響きもあまりピンとこない方もいらっしゃいますかね。テレビ業界、映画業界、芸能界……境界線があいまいなところもありますが、だいたいこういったクラスタ(←さいきん覚えた言葉…属性、みたいなことですね笑)を指します。わたしはギョーカイにおいて、番組制作会社テレビマンユニオンという会社で働いています。番組制作会社とは、平たく言うと純粋に、テレビ局やその他CMや国や市町村などの広報PRなどの垣根なく、こういう番組を作ってくださいということもあれば、こちらから企画を出すなどもあり、内容に応じてなんでも作りまっせ、という立ち位置です。

セクハラ問題「よくあることよ」と思ってしまった怖さ

シンプルにいって、#MeToo的なことでいうと、ギョーカイは全体として、恥ずかしながら大変、対応が遅れているほう、といいますか……。

実は、元財務事務次官の女性記者へのセクハラ問題も、伊藤詩織さんの事件もテレビ業界を舞台に起こっていることなんですね。元次官からのセクハラ被害を女性記者は自分の局で最初に報じることはできなかった。伊藤さんが被害を訴えた相手は、いわばテレビ業界の先輩として伊藤さんから就職の相談を受けていました。

こうした事件を、みなさんはどうみましたか?
わたしはですね「さもありなん……」としか思わなかったんですよ、「よくあることよ」と。その怖さ、わかりますか?大なり小なり、こうした話が日常茶飯事なので、あまりにも悪質なとき、上司に報告したとしても、時間の経過と共にその事実はかき消され、なにごともない日常に戻っていく……というさまを見続けてきました。「なんて酷いことだ」って思えなくなってしまっているんです。

「さすがにおかしい」の臨界点を超えたので、公表しました

とはいえ、日々の仕事のなかで、さすがにおかしいだろう、ということが臨界点を超えたので、わたしは自分の受けたセクハラやパワハラを公表することにしました。

マスコミ内部で起きていることにもっと目を向けて自ら話さないといけない。番組でこのテーマを取り上げるのなら、中の人はどんな思いで番組を作り、セクハラやパワハラを報じているのか、制作者が自ら話すことこそが意味がある、と思ったのです。

制作者も当事者だ。マスコミのハラスメントを特集、自ら出演したTVプロデューサーの思いは

もちろんクサいものには蓋で、バラされたら都合が悪いひとたちもいまして、ほうぼうから怒られたり、陰口を言われたり、変人扱いされたりしました。
ただそれは、わたし個人としては、もうどうでもよろしい、全く気にしません。

キャンペーン「#津田さんに言うぞ」始めました

わたしの属するテレビマンユニオンという会社は、ちょっと変わったシステムがありまして、社長など代表取締役を2年ごとに選挙で決めます。株分けをしている社員は全員が経営者という考え方なので、全員が候補者で、これからこの会社をどうしていきたいか?という作文(!)を提出しなくてはなりません。

それでわたしとしては、勝手にひとりでキャンペーン「#津田さんに言うぞ」を宣言することにしました。

#津田さんに言うぞ                 

セクハラ・パワハラの対策を粘り強く続けていきます。あれだけ私が外部メディアを通じて訴えているにもかかわらず、まだ多くのセクハラ・パワハラ例が社内で散見されます。「昨日カレシとヤッてきたんだろ?」というような性的な揶揄や、「調子に乗ってんじゃねーぞ、どうなるかわかってんだろーな?」というような脅し口調や恫喝、人格否定発言が一向になくならないのはなぜでしょう?

こうした言動をしている方々には、自覚がないのでしょうね、まさにそこのあなたのことですよ。同僚や後輩は、あなたのストレスのはけ口や、自分の存在を大きく見せるための舞台装置ではありません。見聞きして笑っている、ほっといているあなたも同罪です。

私としては、現在新聞やテレビ、ウェブメディア等の女性記者たちとのつながりがありますので、こうした状況をいつでも告発できるのですが、まずはこれっぽちでも残っているか不安なテレビマンユニオンの自浄能力に最後の期待をこめて、「何かあれば津田さんに言ってくれれば」ということで多少なりとも抑止力になりたいと思っております。

昨年、わずかに行ったセクハラ・パワハラ対策では到底不十分でお話にならないですし、会社に言ってもやぶへびで自分の立場が悪くなるだけだ、という不安を抱くでしょう。そのような状況でほっておくということはいたしません。#津田さんに言うぞ、と覚えていただければと。

ちょっと語気強めなのはご容赦ください、笑。

「津田さんに言うぞ!」と言えば「やべえ!」と思ってもらえないかな、と

わたしは自分を「中間管理職フェミ」と位置づけています。いま、40代のわれわれ世代が、いかにセクハラやパワハラを食い止めるかの重要性をひしひし感じております。そこで思いついたのが「津田さんに言うぞ」キャンペーン。

例えば、後輩に浴びせられる「おまえ、昨日カレシとやってきたの?」というような、見過ごせないセクハラ発言。これらは嫌がっても、うまくいなしても、言った相手を喜ばせるだけ。しかし、そういうときに「津田さんに言うぞ!」と言えば、「やべえヤツが怒って説教しにくる!」って思ってもらえそうかな?と。イメージ的には「なまはげがくるぞ」みたいな感じなんですが……。

もちろん、セクハラ・パワハラ発言する人たちに問題があります。 ただ、まずは困っている被害者を救うための一策になればいいな、と。“中間管理職フェミ“としては「セクハラ・パワハラを受けても相談できるパイセンがいる」という安心感を与えることも大事だと思っています。私もそうでしたが、若手はそもそも告発することさえ勇気がいるので……。

#MeTooというのは、流行りモノではなく、小さなことからコツコツと広げていくものだと思っています。あなたのとなりで、大げさにではなく、等身大の#MeToo、が広がるといいな、と心の底から願っています。いま後輩がいる働く女性たちは、#○○さんに言うぞ、ご活用いただけますよう……。

また、今から就活をしたり、社会人になりたてだったり……の若い世代は、なまはげになってくれそうなパイセンを嗅ぎ分けて味方につけてください。
本当に自分の意見をきいてくれたり、守ってくれるひとを見つけるのは、たやすいことではありませんが、わたしは、自分よりも仕事上の立場が弱いひとに対して、できるだけ対等に接しているかどうか、をみることにしています。
自分の味方につけようと思っていると、そのときは社内の後輩には優しいかもしれません、
でも出入り業者への対応などをみればけっこうわかります。
パイセンにも、仲間も応援も必要なんです。お互いこうやって、胸のつかえを少しでも取り払って、つよいちから、になっていくのです。