この3年間、終わった恋が終わらなくてずっと苦しかった。失恋したからこの恋の出口はとっくに通りすぎているはずなのに、終わった恋の入り口に入っていたようだ。いつ抜け出すことができるのか、分からないまま迷路を進み続け、やっと出口を照らすための懐中電灯を見つけることができた。

彼が私と話が合うと思っていることに驚いた

私と彼は高校で出会い、彼のことを好きになるのにそれほど時間はかからなかった。彼を好きになってからというもの、私は一途に積極的に片思いをしていた。彼が好きな音楽はすべて聴き、その感想と彼の音楽のセンスの良さを褒めた。仲良くなってからは彼と映画を見に行った。ご飯だって二人で何回も食べに行った。お互いの部活のこと、進路のこと、趣味のこと。ご飯を食べながら、楽しそうに話す彼を見ている時間が本当に大好きで楽しかった。

そんな風に片思いを楽しんでいたある日、友達から「○○(彼)があんたのこと、優しくて、一緒にいて楽しくて、話が合うって言ってたよ。よかったじゃん」と言われた。その言葉を聞いて真っ先に感じたのは、片思いの手ごたえではなく、彼が私と話が合うと思っていることに対する驚きだった。確かに彼と話をするのは楽しいけれど、話が合うと思ったことは一度もなかったからだ。不思議に思いながらも特に深く考えはせず、この調子で片思いを続けることにした。

私は失恋を乗り越えた、はずだった

高校3年生になり、私はとうとう我慢することができず彼に告白した。やれることはすべてやり、絶対に大丈夫だという自信があった。告白は成功し、念願叶って彼と付き合うことができた。

彼氏彼女としてこれまでとは違う関係性を持ち始め、幸せの最高潮だったのもつかの間、数か月後に私はあっけなく振られてしまった。実は、彼は最初から私に対する恋愛感情を持っておらず、それなのに付き合っている罪悪感に耐えられないようだった。それからというもの、私は毎日死んだように生きていた。人生が終わったことを確信し、未来への希望を持てないまま高校を卒業した。

大学生になり、私は勉強にのめりこんだ。彼は別の大学に進学したからもう会うこともない。私には、叶えたい夢がある。気を紛らわせてはやく立ち直るためにも、私は必死だった。彼とばったり駅のホームで遭遇してしまったときのために、かわいくなるための努力もした。そうやって過ごしているうちに、私は失恋を乗り越えた、はずだった。

必死の思いで立ち直ったのに

大学3年生のある日、突然彼からたわいもない連絡がきた。ぞっとしたのと同時に、怒りが込み上げてきた。友達から聞いたけど、今彼女いるんでしょう。今更何がしたいの。こっちはやっとの思いで立ち直ったんだぞ。私から優しい言葉をかけてもらえると信じて疑わないのだろう、ならばがっかりさせてやろうと思って、冷たい返事をし、その後連絡が続くことはなかった。

冷たく返事をしてそれで切り替えることができればよかったものの、再び彼のことが気になって仕方なくなってしまった。必死の思いで立ち直ったのに、あんな連絡ひとつであっさり崩れてしまった。私はまだ立ち直れていなかったのだろうか。確かに、街を歩いていても、どこかに彼がいないか気にしながら歩いたり、楽しそうに生きている彼のSNSを見て勝手に落ち込んだこともあった。それでも、私の生活への影響は最小限に抑えることができていたのに。大丈夫だったのに、また大丈夫じゃなくなってしまった。

彼と再会して、私の感情はめちゃくちゃだった

そして私は、振られてから初めて自分から彼に連絡をした。必死に抑えていた欲求を満たし、これで本当に終わりにするために。彼は彼女と別れているようだった。私と彼は会うことになった。

久しぶりに会った彼は、何も変わっていなかった。数年ぶりの再会とは思えないほど、昔のように話すことができた。ただ、就活の話になったときに彼から「○○(私)の夢って、なんだったっけ」と聞かれ、私の夢を覚えていないほど彼が私に興味を持っていなかったことを改めて感じた。また失恋した気分だ。それでも、久しぶりにこうして会うことができて嬉しい自分もいた。感情がめちゃくちゃだった。

店を出てからの分かれ道、薄暗い中私も彼も立ち止まって動かない。綺麗に終わらせるために考えてきた言葉が一つも出なかった。私は考えるのをやめて、彼と朝まで一緒にいた。

翌日、私は彼にまた会いたいと連絡をした。私は一体、どうしてしまったのだろうか。戻りたいわけでもないのに。彼からは、また連絡すると返事がきた。連絡する気などないくせに。

彼に好かれる自分だけ出して、それ以外の自分を出したことはなかった

彼と再会して、ますます私の感情がこじれた。感情を理解するためのヒントが欲しくて恋愛コラムを読み漁った。そして、多くのコラムが「自分のことが嫌いになる恋愛はやめなさい」と訴えていることに気付いた。

自分のことに置き換えて考えてみる。確かに私は、彼のことが大好きだった。でも、そんな自分のことを好きだったことがあっただろうか。私は、大好きな彼に好かれたくて、彼の話にうんうんと頷き、彼のことを誰より褒めるいい子を必要以上に演じていた。彼に好かれる自分だけ出して、それ以外の自分を出したことはなかった。だから、彼は私と話が合うと感じても私はそう思わなかったし、彼は私がどんなことが好きで何を目指しているかといった私の核になる部分を何も知ることがないままだった。

そんな状況なら、彼が私のことを好きになるはずもない。私を都合のいい女にするのも頷ける。彼に好かれるための努力が、彼に好かれない状況を生み出していたのだ。自分を出さず、無意味な努力をする自分のことを、好きになれるはずがない。

どうして今まで気付かなかったのだろうか。涙がはらはらと出てくる。そんな自分の姿を鏡で見ると、どこか安心したような顔をしていた。彼を好きになってから6年間、見ないふりをしていたものに目を向け、やっと気付くことができた。よかったね、本当によかったね。

私はまだ完全には立ち直れないだろう。でも、この終わった恋が終わる日は近いはずだ。いつかまた恋をすることができるなら、好きな人に私自身を見せることができるように。今は私の中身を大切に育てていこうと思う。