私は今、お金との距離感に人生で一番悩まされている。というのも、新興感染症のために失業してしまったからだ。20代前半なのにもかかわらず、である。

いつから、お金と遠縁になってしまったのだろう

大学生の頃は、親に頼めばお金は出てくるものだと思っていたし、親が渋れば自分でアルバイトをすれば良い。それくらいに思っていた。もし本当に困れば、誰かに頼ればいい、空からでもお金は降ってくるに違いないとさえ感じていた。実際に、大学在学中には7個くらいのアルバイトを務め、稼いだ分を全て使っていた。

新卒で就職した後も、看護師だったため割と給料は高く、知らないうちにお金は溜まっていた。それで調子に乗った私は看護師をやめようと思い、2年で転職をした。そして、その転職先が給与未払いを3ヶ月分残し、すぐに廃業したのだ。

困ったものだと思った。新しい転職先に通うために引っ越した代金すら、賄えない。貯金を切り崩して何とか生活をしている。良い小遣い稼ぎはないかと、彼氏がやたらと夢中になっていたアフィリエイトなどをやってみた。だけどそれにも限界がきた。外にも出られない毎日の中で、部屋に閉じこもってはお金を得る方法を探す。ブログ、投資、不動産と色んな情報がインターネット上には溢れている。そのうちの何個かはすでに試しているし、今後手を付けようかと思うものもあった。しかし、資本がなければ何も始められない。簡単に収益は出ない。

一体、いつから私の選択は間違っていて、お金と遠縁になってしまったのだろう。

心配の波が押し寄せてきて、不安で涙が止まらなくなる

今は少しの諦めがつき、失業保険を受給しながら単発のアルバイトに入っている。まさか自分が、失業保険を受給する日が来るなんて思ってもみなかった。苦しいことに、失業保険も若いがために90日しか受給資格がない。共に失業した人は220日受給できると言っていたのに。

「お先が真っ暗だ」と思う。失業を経験した人にしかわからない闇がある。心配の波が急に一定の間隔で押し寄せてきて、不安で涙が止まらなくなるのだ。自粛期間のせいで、新しい職場の面接も受けられない。ぐるぐると負のスパイラルが部屋中に起きていて、目が回りそうな数ヶ月を過ごしてきた。普段の失業なら、憂さを晴らすために友達と飲みに行ける。面接もバンバンと受けられる。しかし、今はそれらが許される時ではないのだ。自分で自分を部屋に軟禁することは、あまりにも酷な作業だ。スーパーに行くのが一大行事なのだから。

自殺をしてもおかしくないほど、辛い経験をしているのだ

そうして、失業を持て余した私は失業それ自体について調べてみることにした。その中で、興味深い統計を発見したのだ。厚生労働省の平成30年中における自殺の状況の報告によると、自殺者全体の57%が無職者だと示されている。それは、2人に1人以上を意味している。

「そう言うことか」と私は妙に納得する。

無職である私は、自殺をしてもおかしくないのだ。全国統計から見てそういう傾向にあるのだ。それほど辛い経験をしているのだと自分を慰めることができる。人生初めての挫折なのかもしれない。この辛い状況の中で、果たして世の中の失業者はどうやって復活しているのだろうか。

失業のおかげで、「お金は空から降ってこない」ということを学べた

あれこれ悩みながらエッセイを書いている間に、応募しているところから面接再開のお知らせが届いた。世界も物事も進んでいる、きっと大丈夫だ。と思う。失業のおかげで、20代前半にして「お金は空から降ってこない」ということを学べた。ありがとう。失業。

そして今は、お金とは少しの間距離を置いているけれど、だけど。やっぱり復縁したい。簡単には手放せない。お金に執着せず、縛られない自由を手に入れる。私はこの期間でそう決めたのだ。

10年後の私は30代だ。その時には、一体お金について何を学べているだろう、お金は私にとってどんな存在になっているのだろう。もしかすると、周りにまわって「お金は空から降ってくる」くらいのいい関係性になっているかもしれない。そうだといい。