ストロー問題から考える。プラゴミの減少と利便性は両立するのか

7月から始まったレジ袋有料化は私達の生活に大きな変化を生み出しただろうか?
私はマイバックを持ち歩くのが習慣になったが、鞄に入れ忘れたり、バックの容量が足りなくなって結局袋を購入することも少なくはない。人によっては以前のステップに「レジ袋は有料ですがよろしいですか?」「はい」という会話が加わっただけの人もいるだろう。ゴミ袋として再利用するならポリ袋を買うよりレジ袋を買った方が得だという意見まで出ている、さもありなん。
しかしいずれにせよコンビニやスーパーで買い物をした際、無料で貰えるものではなくなったレジ袋だが、私はそれよりも気になる存在がある。ストローだ。
大手珈琲チェーンが紙ストローを一部導入し始めたのは遡ること今年の1月らしい。アメリカ資本らしい素早い対応といえるだろう。初めて紙のストローで飲んだ時はなんとも不思議な心地がした。どこか紙の味がするような気がしたし、時間をかけて飲んでいると水分を含みフニャフニャと曲がってしまう。本当にこれが世界中で広まるのか?いや、現在進行形で受け入れられているのか、もっと他になかったのか?と一人悶々としたものだ。
勿論プラスチックゴミを減らそうという取り組みには全面的に賛成であるが、それにより私たちの利便性が損なわれるのはいただけない。欲張りだろうか、しかし珈琲チェーンのカップやストローも含めたサービスに代金を支払っているつもりなので小さなことでも気になるのだ。
そこでニューカマーとばかりに目についたのはステンレスストローの存在だ。その名の通りステンレス製の持ち運びできるストローであり、マイ箸、マイバックに続きマイストロー文化が根付くのではないかと期待されている。
ステンレスストローは見た目もシルバーで格好良いし、鞄からサッと取り出せばどこかスマートだから私は密かに憧れている。だがしかし、使うに至らない理由がいくつかあるのも事実だ。
まず第一に使い終わった後のストローをどう仕舞うかという問題がある。まさかお店のトイレで洗う訳にもいかないしコーヒーを飲み終わった後専用の入れ物かジップロックに入れて持ち帰るのだろう。冬場はまだしも夏場は雑菌が発生しそうでなんとなく気になる。
第二にそもそもストローを洗う為に専用のブラシが必要だということだ。それはそうだろう、普段食器を洗っているスポンジが細いストローの中を洗えるはずもない。そう考えるとだいぶ面倒くさい。
第三にストローの太さ的にタピオカが吸えるのかという問題が立ちはだかる。私は小学生の頃にタピオカブームを経験してから熱心なタピオカ信者であるが故、流行り廃りが巡ってもこの先もタピオカミルクティを飲み続けることは容易に想像がつくのだ。タピオカが飲める太さのストローでなくてはならない。これは非常に個人的だが重大なポイントだ。
あれこれ理由をつけてステンレスストローを使うことを先延ばしにしているが、結局は面倒臭いの一言に尽きるような気もしている。環境問題が盛んに叫ばれる今、人々の意識改革が追いついていないように感じるのは私だけだろうか。世間は目まぐるしく変わるが一度手に入れた便利を目に見えない"環境変化"のために手放すのはなかなか難しい。これからの地球を守っていくのに個人の動きがどれだけ結果に繋がるのか、まずはそれが分かるようにならないと地球のために変わるのは遠い未来のことになりそうだ。
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