父親に「無職でゴキブリ同様」と罵られたけど、憎み切れない苦しさ…

新卒で入った会社を、今年の3月で辞めた。
性に合わないといったら、我儘になるのだろうか。
確かに、大学時代の自分より、格段に成長もした。だけど、満員電車に乗るとパニックを起こすようになってしまった。生活が合わなかったのだと思う。
おじさんたちは、そんな私を「意気地なし」「そんなのみんながやっている。耐えて当たり前だ」と言うだろうか。出来損ないと思うだろうか。
だけど、私は離れたかった。もし、地震が起きてここで死ぬなら、まだ無職になってお金がなくなったほうがマシだと感じたし、もしそうなってもなんとかなると思った。
そんな私は、現在24歳で無職の実家暮らし。そして、長女である。
キッチンで、家族のお皿を洗っていたら、父親に「うるさい」と怒鳴られた。
「仕事もしてなくて、ずっと寄生している私は、ゴキブリと同類だ」と罵られた。
私のお父さんは昔から口が悪い。しかも、長女の私と母親にだけは特に強く当たる。
だけど、今回は、流石に吐くかと思った。
小学校高学年くらいからずっと人格否定され続けてきた人生で(悲しいことに、その異常さに気づいたのは最近なのだが)、数えきれないくらい嫌なことを言われてきた中ですら、おそらく最強レベルの罵倒だったと思う。
いつもなら、しばらく涙が止まらなくなるけど、この時はしんどすぎて、もはや泣くこともままならなかった。
なにが辛いって、実の親に言われたという事実。
全くの他人だったら、ただイラッとして、それだけで終わることができると思う。
だけど、家族はそうはいかない。
嫌なことを言われても、どうしても憎むことができなかった。
これは、私だけなのだろうか。家族であるということが、逆に苦しみのもとになる。苦しくて苦しくてたまらない。
どんなに痛めつけられても、親に対する子どもの愛情は切ることができないんだと思う。最近、そう考えるようになった。
私は、なりたくて強くなったんじゃない。強くなりたくなんかなかった。許されるなら、弱いままでいたかった。弱いままでいたかったのに。
あの日の夜は、なかなか寝付けなかった。
もちろん、父親には感謝している。家に住まわせてもらえること、してもしても仕切れないほど、有難いと感じている。
だけど、それでもだけど、やっぱり私は傷ついている。
とても深く傷ついてしまった。
いつもなら、次の日には許せるけど、今回はどうしても許せない。
私は、なにがいけないんだろうか。なぜ、こんなにもいろいろなことが上手くいかないんだろう。なにがダメなんだろう。
そう感じてしまうことをお父さんのせいにはしたくない。確かに、私もいけないと思う。
だけど、これ以上私を傷つけないで。
一生、許せなくなる気がするから。
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