炎上する広告が多いなか、なんと「毛」の広告が、ぶっちぎりの好感度をゲットしましたね。カミソリなど刃物メーカーの貝印が公開した、剃毛や脱毛について、多様性を表現した広告ヴィジュアル「ムダかどうかは、自分で決める。」

結論は「毛」はみんな好きにしたらいいさ

いやもう、これ以上、どう言うこともできない完璧な、まさに研ぎ澄まされた刃のごとく切れ味の良い、素晴らしいコピーであります。
なので、結論(もう言う、笑)としては、「毛」はみんな好きにしたらいいさ、なのですが、「毛」問題については、いろいろわたしにも消化しきれていないエピソードがあるので、みなさんにお話させていただきます。

中学受験の頃でしょうか、父親がわけのわからないことを言い始めました。それは「おまえ黒木香みたいになれよ」……みなさん、動画配信サイトで話題になった「全裸監督」ご覧になった方もいらっしゃるでしょうか?

80年代のアダルトビデオの伝説の監督である、村西とおるさんの実話を元にしたドラマシリーズですが、その作品に出演し、当時テレビ番組などにも多く出演して人気を博した黒木香さんという女優さんが重要な役どころとして登場します。ご存知、剃っていない脇毛を、惜しみなくアピールする、その大胆さ、自由さが、そして知的で上品な口調で、ズバズバ性的な発言をする痛快さが、人々の心を掴んだのです。

たしかに、小学生だったわたしのクラスでも「黒木でございまあ〜す」と言って、片腕をあげて脇をみせるギャグが大流行しました。どうも、黒木さんが、わたしの地元の某国立大学の学生だったので、そういう賢い大学に行ってほしい(?)という目的だったようですが、わたしは「脇毛を生やせということなのか?」と真剣に考え、答えはいまだに出ていません。

突然の「下の毛薄いぞ」マウント。あれはなんだったの?

まあしかし、日本では思春期になれば、みんな毛の処理をするようになります。
しかし、高校生のときに、また不可解な「毛」の話が……。厳格なカトリックの女子校で学んだわたしですが、そんな男女の付き合いから隔絶された、つまり女同士でボケーっと生きていたとき、ある日友人のひとりが唐突に「うちは毛の薄い家系で、下の毛がまったくないの、いいでしょ?」みたいな発言をブッコんできたのです。「なんだそれ?!」と、まさに脳内はパニックですよ、パニック。まずマンガやアイドルの話くらいしかしてない友人が、「下の毛が薄い」ことをなぜ唐突にカミングアウト、そしてしかも「自慢」?!「おばあちゃんもそうなの」て言われても……突然の下の毛薄いぞマウントは一体なんだったんでしょうか?

パリに海外留学。多国籍、人種の入り乱れた600人の女たち「毛」はフリーダム!!!

さて、光陰矢の如し、わたしはフランスのパリに海外留学をいたしましたが、当初、600人の女性たちが住む寮、その名も「Palais de la femme(女の城)」で生活をしていました。
なにしろ世界中から集まった多国籍、人種の入り乱れた600人の女たちが、キッチンやお風呂をシェアして共同生活を送っているのです。そこで目の当たりにしたのは、だいたい世界的には、みんな脇毛はボーボー、腕毛だの、足毛だの、顔毛だのもボーボーであるという事実です。つるつるしているひとなんかひとりも見かけませんでした。

いや、なんかそれぞれにコダワリのようなものはあって、形をどうこう整えようとか、いやナチュラルがいちばんじゃ、とか主張があって剃らないとか、まあいろいろですが、なんていうか毛が、「ムダ」みたいな嫌悪感はまったくなく……。「毛」はフリーダム!好きにする以外になにがあるんだ?の精神でした。黒木香さんの主張が、いかにユニヴァーサルだったかということです。

就職したら「鼻の下の産毛が生える女は認めない!」とな

さて、日本で就職したわたしは、今度は男社会の謎のセクハラワールドにパラシュート降下するのですが、そこでも「毛」事件発生です!!とある取引先のえらいおじさんに、おごってやるけど、でも俺は鼻の下に産毛が生えている女は女と認めないから剃れ!と言われたのであります!え?そこお?どんだけわたしの顔みてんねん!そんなにキッスしたかったんかい?!と思いませんか?(笑)

デート当日「ちょっと下の毛、焼いてくるわ」と消えた友人

一方、黒人の男性とお付き合いしていた友人よると、彼は非常に毛のビューティーにこだわるので、ボーボー生やしっぱなし、ていうのはセクシーじゃないのだそうで(まあ人の好みによるだろうと思いますがね)、仕事中にバリバリチャットして、今夜会おうとなったときは、会社のトイレにいって毛の処理をするんですが、どう処理すると思いますか?

……ライターですよ!ライターを使うことで、うまく下の毛を焼いてクルクルってするんですって!!(火災報知器などが作動するので良い子のみなさんは真似しないでね)

「ちょっと焼いてくるわー」という彼女の背中の凛々しかったことよ……。「鼻の下の毛が気になるう!」というマインドとの落差が激しいわけですよ。

毛の処理の仕方、こだわりは人それぞれということ!

つまりですね、わたしの経験だけでも、こんなに「毛」の世界は多様なんです。
好みも、こだわりも、処理の仕方も、もしかしたらセックスの好みよりもいろいろバリエーションがあるんじゃないですかねえ?そう思うと、楽しくないですか?「毛」は思うがまま!真理は「毛」の処し方にあり。「汝の毛を愛せよ」。