鏡を見たときの「今日の自分、いけるかも」。プレゼン前の美容室は願掛けになった

社会人3年目。私は初めて挫折を味わった。
それまで、新卒1年目で入った不動産会社での営業ノルマもそつなくこなし、「社会人なんて簡単だ」と思っていた。しかし、そんな自分がある日突然怖くなり、10ヶ月目に上司に辞表を提出しました。
急いで自分の成長を手に入れたくて、大手広告IT会社に転職した私は、社会人として、というよりも、「人」として自信を失くしました。
「鈴木にプレゼンさせたら失注する」
私が陰で言われ続けた言葉。
私は大勢の人の前でプレゼンするのが苦手で、スムーズに話そうとしても言葉が出てこない。普段は話せるのに、なぜかプレゼンが始まる瞬間から言葉が出てこなくる。悔しくて悔しくて、アポが終わって訪問先のビルを出た瞬間、たくさん泣きました。
そして、仕事ができない自分のことが嫌いになり、次第に自分への自信は皆無に。
そんなある日、次のアポイントまでに時間が出来て、なぜか(今でも思い出せない)美容室に入り、シャンプー・ブロー をしてもらいました。今までシャンプー・ブローだけで美容室に行ったことなんかなかったのに、その日はなぜか、初めてシャンプー・ブローだけをオーダーしたんです。
洗い上がりの程よいシャンプーの香り、鏡に映った自分の、綺麗にキマった巻髪。その自分の姿を見た瞬間、「今日の自分、いけるかも」と感じ、自然と自信が湧いてきました。
美容室を出て、次のアポイント場所で上司と会った瞬間、「今日のプレゼン、私にやらせてください」と、自分から上司にお願いしました。上司はそんな私の顔を見て、「がんばれよ」とだけ言ってくれた。
その時の私の顔つきが、いつもと違うことを悟ったんだと思います。
会議室に通されると、いつもの私だったら絶対に手汗をかくのに、なぜか出ない。それよりも、早く話したい、そんな衝動に駆られていました。
いざプレゼンが始まると、事前に用意していた話し文句ではなく、相手の顔や表情を見ながら、自然と言葉が溢れ出てきました。
そして見事、その日の受注は決定。あれから6年経った今でも、鮮明にあの日のことを覚えています。
その日以来、私は大事な商談やプレゼン前には必ず、願掛けのようにして美容室に行くようになりました。
毎回アポの前、美容室の鏡に映る自分を見て「今日の自分、いけるかも」と思えた。
キレイに決まった髪が、間違いなく私に自信を纏わせてくれたんです。
それまで自分のことが嫌いだった私は、美容室で自信を手に入れたことで、もう一度自分を愛せるようになりました。
そして念願だった、MVPも取ることができた。
髪は365日24時間、自分の体から切り離せない存在です。
顔のように、化粧で隠すことができない。
だからこそ、その髪が自分にフィットし、キマっていることで、自分の気持ちを変えることができる。髪には、苦手だったものを得意にさせる力がある。
そして、自分を愛すことができる力を持っている。
MEZONは、私の実体験をもとに創ったサービスです。
私たちが提供しているものは、まさしく「自信」。
髪が変わることで、多くの人の人生を変えたい。そんな想いでMEZONを運営しています。
今回は、皆さまに、髪にまつわるエピソードを書いていただいて、もっと自分を知って、自信を持っていただきたいと考えています。
皆さんにとって、髪はどんなものですか?
株式会社Jocy代表取締役 美容室定額サービス「MEZON」を運営。大学卒業後、不動産ベンチャーに勤務。その後、サイバーエージェントグループで5年半、大手企業と事業提携を行い新規事業企画・開発に従事。新規事業ギネスを更新。2017年10月、株式会社Jocy設立。 インスタグラム:@mizuho_suzuki_
シャンプー・スタイリング、ヘアケアに特化した美容室定額サービス。「美容室をカフェ感覚で日常的に利用するライフスタイル」という新しい文化を浸透させ、今を頑張る女性が髪がキマることで自信を手に入れて、人生が彩る体験を提供することを目標としている。2020年10月時点で会員登録数が約4万人、提携美容室数は700店舗を突破。
Twitter→https://twitter.com/jocy_mezon
公式note→https://note.com/mezon
我慢することが、「社会人」になることだと思っていた。違和感を持つ自分がおかしいんだと思っていた。だけど、年齢を重ねた今ならわかる。あの時の、私の感覚は間違っていなかった。「かがみよかがみ」世代の女性たちに、あの時の私に、今振り返って伝えたいことをお届けします。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
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