眠るとき、あなたはどうやって眠りますか。

何も考えない、気を失うように、1日を振り返りながら、寝落ちするまでスマホをいじる、アロマを焚いて香りに包まれながら、音楽を聴きながら。眠るときに何をするか、穏やかに眠るためにきっとそれぞれ決まりごとがあると思う。

「さて今日はどの物語の続きを紡ごうか」とワクワクして目を閉じる

私には、物語の続きを考えながら眠る癖がある。
パジャマに着替えて、歯を磨いたら布団に入って。スマホを少しいじりながらラジオを聴いて。ああ、もうそろそろ寝なきゃという時間になったら、目覚ましをかけて電気を消して。「さて今日はどの物語の続きを紡ごうか」とワクワクしながら目を閉じる。さあ、今日はどんな物語になるのだろうか。

他の眠り方がわからないから、この習慣はもう相当長い。なんたって一番の長期連載は小学校のころに夢中になって読んだ小説のアナザーストーリーだから、連載期間はたぶんもう10年以上にもなる。
同時並行で連載されている物語は様々で、恋愛ものや学園もの、SFからミステリーまで。二次創作もオリジナルも両方あるし、もちろん休載やもう終了している連載だってある。

もともと小さな頃から、本を読んだり、物語を考えることが大好きな子だった。絵本や伝記漫画からから始まり、小学校の高学年に上がるころにはいつも文庫本を片手に歩くようになっていた。
続きが気になって気になって、毎回最後は酔って辛い思いをするのがわかっているのに通学中のバスの中で読んで、挙句の果てには歩きながらも読んで。そしてそれを買い物途中のお母さんに見つかって、よく怒られていた。ちなみに本に夢中で、何回か電柱に頭をぶつけたこともある。でもそれでも懲りずにページを捲り続ける、物語の世界に魅了されていた。

将来の夢は「小説家」だった。学校の日記帳に物語を書いて連載した

気が付くと読むだけじゃ飽き足らず、学校の日記帳に物語を書いてクラスで連載をするようになっていた。物語を書くのは楽しい。友達に読んで貰えて「面白い」って言ってもらえたらもっと楽しい。今思えば書くことの楽しさに目覚めたのはこのころだったと思う。
将来の夢は「小説家」だった。

物語を考えながら眠るようになったのは、今も私が長期連載している物語の元になった、小学生の頃に読んでいた小説がきっかけだったと思う。パズルを解きながら本物の事件を解く冒険ミステリーで、シャーロック・ホームズやアルセーヌ・ルパンが大好きな私は夢中になって読んだ。
そこにある日突然、有名ミステリー小説の子孫を名乗るキャラクターが出てきたのだ。「えっ、それいいの」「カッコイイ!」
まさかの展開に驚きを隠せなかった。
そして巻を読み進めるにつれてその子孫のキャラクターの魅力にあっという間に引き込まれた私は、ふと小さな想いを持つようになっていた。このキャラクターの子孫が出てきていいなら、もし、あのキャラクターの子孫が出てきたらどうなるんだろう。

じっくりと空想の世界に浸るのに、眠りに落ちる時間は最適だった

それから少しずつ、夜眠る前に「もしこんなキャラクターが出てきたら」と空想するようになった。じっくりと空想の世界に浸るのに、眠りに落ちる時間は最適だった。

そんなこんなで物語の続きを考えながら眠るようになって、もう10年以上になる。飽きないのかと思われそうだが、今のところその気配はない。
だってずうっと長い時間紡いでいる物語でもある日突然、全く違う物語になることがあるのだ。新しいキャラクター、新しい選択肢、新しい展開。全く違う世界に連れて行ってくれるのだから、楽しくてやめられない。

ちなみに、眠るときは何も考えないほうがよく眠れるらしい。ここ最近知ったことで一番の衝撃だった。だけど今のところあまり問題はないから、たぶんこれからも私は眠りにつくつかの間、物語を紡ぎ続けると思う。物語は、いつだって私を知らない世界に連れて行ってくれるから。
さて、今日はどんな物語を紡ごうか。