「人としてどっか欠けてるんじゃない?」と言われてしまった。

以前、大嫌いな姉に「大学生になっても彼氏できないなんて、人として欠陥があるんだよ」と言われた。今思い出しても頭にくる。

恋愛は人の必須条件じゃないのに、なんでうちを認めてもらえないんだろう?

うちは、24年間誰も好きになったことがない。
「え~意外!」「なんで彼氏作らないの?」「いい人に出逢ってないだけだよ」「浮いた話ないの?」「気がついたら好きになってるよ」「誰とも付き合ったことないの?」「無理して誰かを好きになる必要ないよ」「もったいないよ~恋愛は楽しいのに」
と、周りの友達は必死に言ってくれる。ただ、どの言葉も自分にはしっくりこない。
「恋愛をするのが当然だ」「恋愛しなきゃダメだ」という大前提があるのが裏透けて見える。
恋愛は人の必須条件じゃない。恋すると毎日が勝手に充実するわけでもないのに、なんでだろう。

それに、激励とか、励ましとか、アドバイスが欲しいわけではない。
「そうなんだ」「へー」ぐらいの、淡々とした反応が欲しい。恋愛に重きを置いていないうちを、ただ認めて欲しい。

「知らないし興味ない」私にとってはそれ以上でも以下でもないのに

みんなが恋愛の話を求めてきても、うちは「人を好きになる感情」を知らないし、そもそもなんでそんなに恋愛の話を聞きたいのか理解してないから、申し訳ないことに何の話もできない。
なんか、周りがF1カーの話で盛り上がっている中、一人でポツンとついていけないって感じ?車がかっこいいのも、楽しいんだろうこともちょっと分かるけど、興味も無ければ、何も分からないんだってば。
だけど、「恋愛に興味ないし」と、ぶっきらぼうに言っても場の空気が悪くなるし、ヘラヘラと「モテないし、恋愛に興味が持てないんだよね~」と言って誤魔化していた。

こんなうちと正反対すぎてビビる友達がいる。彼女は恋愛至上主義で、3股4股なんて当たり前だ。「恋していないと生きていけない!」とまで豪語している。
彼女は会うと、好きな人とか付き合っている3人の彼氏の話をしてくれる。うちは、その時の彼女の顔が好きだ。純粋に楽しそうで、見ているこっちも幸せになる。

その彼女にある日、「恋愛できないってさー。人としてどっか欠けてるんじゃない?」と言われてしまった。大嫌いな姉に言われた言葉も頭の中でコダマする。
体の内側が毛羽立ち、脳の下がヒヤリとした。世界が灰色を帯びてくる。
気がついたら、「恋愛ごときで人として欠けてるって。そもそも欠けてない人間なんていんのかよ」とぶっきらぼうに言い放っていた。

恋愛できない自分を責めていたのは、紛れもない自分だった

直後に「あ、やば…」と思った。まさか自分の口からこんな言葉が飛び出てくるなんて。
咄嗟に謝ろうとしたら、彼女は「おわ~確かに!おっしゃる通りだわ!」と笑って、淡々と受け入れてくれた。

拍子抜けすぎて、その後どんな話をしたか覚えていない。

彼女の反応で気づかされた。恋愛できない自分を一番受け入れられてなかったのは、自分だった。
「恋愛ごときで人として欠けてるって。そもそも欠けてない人間なんていんのかよ」は、その子じゃなくて、自分に向けて言った言葉だった。
「人として欠けている」なんて、わざわざ言われたくない。言われなくても、嫌ってくらい感じてきた。満員御礼の映画も、ヒットしている曲も、百人一首でさえ43首は恋愛に関する内容だ。大昔から、日常のそこかしこに、当たり前のように恋愛が転がっている。だからなおさら、恋愛できない自分を欠けていると感じてしまう。

でも、そもそも人は欠けててなんぼだった。
「恋愛をするのが当然だ」「恋愛しなきゃダメだ」なんて、誰も言ってない。自分がそう感じていただけだった。

恋愛できない自分を生きづらくして、苦しめていたのは、自分だった。
欠けている自分を受け入れて、もっと堂々としてていいのに。
中途半端にヘラヘラしたうちの態度が、彼女に「人として欠けている」と言わせてしまった。
こんなに酷い話はない。自分に対して申し訳ない。本当に、ごめんなさい。