避妊は「二人の責任」なのに、どうして私だけが避妊具を負担しないといけないの?

彼氏が、避妊具を使ってくれない。それは去年までの、私の悩みだった…。低用量ピルに出会うまでは。
彼の「使わなくても大丈夫」という、根拠のない自信と無責任さ、そして、男女の負担のバランスを変えたい。
約3年前、付き合いたての頃は、彼が避妊具を用意してくれて、ちゃんとつけてからしていた。でも、2年経ったあたりくらいから、慣れてくるうちに、手元になかったり、「つけないでやってみたい」って言われて試してみたりしている間に、なんとなく“つけなくても大丈夫”という概念が、彼の中に生まれたらしい。もしくは、つけないでする味を占めてしまったのかも。
たしかに私も、どちらかといえば嫌いではない。でも、やっぱり避妊具を使用しなかった後は、罪悪感や不安がつきまとった。彼が買っておいてはくれないと悟った後は、自分で用意するようにしていた。でも、毎回買うのにお金もかかる…。
ある日、ベッドでそんなムードになったから、私が「なんで無いの?ちゃんとつけてくれない?」ってさりげなく諭した。そしたら「友達でつけてない人がほとんどだよ。みんなそれで問題になったことないから大丈夫」って言った。え、みんなって何人? そんなの運が良かっただけだよ…と思った。
無計画な妊娠のリスクがあるのだって、実際に出産するのだって、女である私だから! 「外出ししたけど、妊娠してしまった友達がいる」そう言っていた友人を知っている私は、彼以上に危機感を感じて、避妊具を使わない人がどれくらいいるのか、妊娠に繋がってしまう可能性はどのくらいあるのかたくさん調べた。ただ、ググっても安心できずに不安を感じる。起きてしまう時は、起きてしまうことだから。
一方で、彼は同じくらいの不安を感じてはいない。つけて欲しいのは私だから、用意するのも私。二人の問題なのに、なんで? そんな疑問を感じるようになった。
約1年前の春、ニキビ対策のことを調べていたら、低用量ピルという存在を知った。高い避妊効果があり、PMSの改善にもつながるだけでなく、ホルモンの分泌を抑えることでニキビ肌にも効果があるらしい。私が服用すれば、つけないでしても不安にならずに済む…しかも、ニキビ予防にもなるなら一石二鳥だ。そう思って、服用を始めた。
結果として、ニキビにも効果があったし、これからも続けたいのだけれど、私の場合毎月2,000円はかかってしまう…。同じように服用している友人は、彼氏が低用量ピル代を払ってくれているそうだ。「その彼、偉いね~」と言わざるを得なかった。
低用量ピルを飲み始めたことの報告をしても、彼の反応は軽かった。「そうなんだ、副作用早く治るといいね…」。むしろ、それをいいことに避妊具を当たり前のように使わなくなった彼。その裏では、私がお金を負担をして、工夫をしているのに。
これからは、二人の問題であることをちゃんと認識してもらって、購入のことについても相談しよう。責任も負担も半分こ。お互いの妥協点を見つけて、問題もハピネスもシェアしていきたい。
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