毎年、クリスマスシーズンは大好きだけれど、イブとクリスマス当日は大嫌いだ。
彼氏がいないからではない。彼氏がいても一緒に過ごすことができないからだ。
交際6年目にして、過去5回ともクリスマスは離ればなれだった。これが国際恋愛の宿命というものなのだろうか?
今年も涙にぬれるであろう、寂しいクリスマスイブがやってくる。

遠距離恋愛の私たちは、それぞれ日本とアメリカでクリスマスを過ごす

1回目のクリスマス。夏に私がアメリカ留学から日本へ帰国し、遠距離となった私たちは、それぞれアメリカと日本でクリスマスを過ごした。
アメリカでは、クリスマスは家族行事だ。日本でいうお正月みたいなもの。日本のように恋人と過ごすのではなく、家族と食事をしたりプレゼント交換をしたりするのが一般的だ。反対に、ニューイヤーの方が恋人や友達と過ごすことが多いらしい。

2回目、3回目のクリスマスも遠距離中だった私たちは、当日メッセージのやりとりとビデオ電話だけ。もっとも、アメリカからクリスマスプレゼントを送ってくれたのは嬉しかったけれど。メッセージ付きのお花や香水などをもらったときは、「送料高いのに……」と思いつつ、サプライズに心がおどった。離れていても愛されていると感じることができた。

それでもやっぱり、当日はつらくて寂しくて虚しくて……。
24日か25日どちらかは友達とのパーティを入れられたとしても、彼氏のいる友達と予定を合わせるのは難しく、どうしても片方は予定が埋まらない。
気分はシングルだった。「デートいいなあ」って、シングルの友達と街のカップルをうらやましく思いながら見てた。完全にそっちサイド。

彼が日本留学し、やっと一緒にクリスマスを過ごせると思っていたのに

4回目のクリスマス、今度は彼が日本へ留学に来ていた。
やっと12月に同じ国にいる!今年こそは一緒に過ごせる!と信じてやまない私は、つかの間ワクワクしながら良さそうなホテルを探し、11月にはすでに予約を完了していた。今度こそ叶うと思っていた私の夢が音を立てて崩れるまでは……。
ごく自然な感じに「クリスマスのホテルいいところあったから予約したよ~」と伝えると、衝撃的な言葉が返って来た。
「クリスマスはアメリカで家族と過ごそうと思ってる」
頭が真っ白になった。海外でのクリスマスのあり方は知っていたものの、まさかこのコロナ禍でも渡米するとは……。しかもクリスマスデートに憧れている彼女を差し置いて。
当時学生だった私は一緒にアメリカへ行くこともできたかもしれない。だけど海外旅行なんて誰もできていなかった時期で、当然親からも反対された。それに、のこのこと家族行事に参加して家族だんらんに水を差すのも気が引けた。

残念ながら4年目もクリスマスイブは寂しいイベントになった。
気力もなく家にいた私は、少しでも自分の機嫌を取ろうと、好きな宅配ピザを食わえてクリスマステーマの映画を観ていた。だけどピザの味がしない。口を動かしていても視線を画面に集中していても涙があふれて止まらなかった。
イブに一人で何やってんだろう……。
恋愛もののクリスマス映画が、より孤独を感じさせた。

彼は家族とのクリスマスにウェルカムと言ってくれるけど

5回目のクリスマス。何となくは予想していたけれど、案の定PCR検査を受けて彼は12月にアメリカへ帰国した。コロナはまだ収束せず国境は閉鎖され、私は年末のイベントもあり渡米は選択肢になかった。
友達とのクリスマスパーティは楽しかったけれど、やっぱり当日はゴミ箱にティッシュの山ができた。前の年までは全力でショックを受けていたけれど、ここまでくるとだんだん悟ってきた。彼と家族になれるまで、恋人のうちは一緒に過ごすことができないのだと。やるせなさと悔しさが押し寄せた。

今年は6回目になる。12月前になるとへそを曲げる私に、
「君は家族も同然だから、僕の家族とのクリスマスにはウェルカムだよ」
彼はそう言ってくれている。しかし私はすでに働き始めており、1週間以上の長期休みをとれる状況ではない。そこで、もっぱら24日と25日の予定を埋めるため友達とのスケジュール調整に奔走している。

この行事を通して痛感する、生きてきた習慣や価値観が異なるのだと

「付き合っていて、文化の違い感じたことある?」
これは周りの友達によく聞かれる質問だけれど、具体的にはクリスマスという行事を通して痛感するのである。彼とはこれまで生きてきた習慣や価値観が全く異なるのだと。
みんなのように彼氏とクリスマスイブにデートしたいのに……。おしゃれなディナーを食べてイルミネーションを見てすてきなホテルに泊まってリア充したいのに……。
恋人とクリスマスデート。素朴でありきたりな夢が叶う日は来るのだろうか。
ヤドリギの下でキス?!そんな日を淡く夢見て、今はまず彼と家族になれるように、国際恋愛のいろいろな壁を乗り越えようとあがいている。