非日常体験がかき立てる創作意欲。旅に出ると私は物語を書きたくなる

旅先で目にしたもの・聞いたことは、私にとって書くことのインスピレーションだ。
絵本を読むのも書くのも好きな私は、童話作家・ストーリー作家として子ども向けのお話を作ることが目標だ。今は趣味として、自作の物語を絵本大賞や童話コンテストに出しながら書くことを楽しんでいる。
日常での発見ももちろんだが、旅先で見聞きしたことが物語のインスピレーションになることも多い。景色や風景がお話の舞台になったり、見たもの出会った人が登場人物やキャラクターになったり……想像力をかきたて好奇心を広げるような少々現実離れしたお話を書くには、旅で非日常の世界を訪れることがとても効果的なのだ。
例えばこれまで書いた物語の中に、サボテンが主人公のお話がある。きっかけは留学先のアメリカ・アリゾナ州で見たたくさんのサボテンだ。
アリゾナは砂漠地帯で、背の高さ以上もあるサボテンがそこら中にたくさん生えている。細長かったり丸っこかったり、様々な形のサボテンを見ているとそれぞれの種類に個性を感じた。そこで擬人化してみたら面白いと考えた。また、カラフルな花を咲かせることも印象的で、花が咲くことに意味を持たせてみたいとも考えた。
主人公のサボテン、スパイクはチクチクしたトゲがたくさん生えていてそれが醜いと他のサボテンたちからいじめられていた。でもそのトゲを武器にサボテンを食べるラクダを追い払い、いじめっ子や好意を寄せている女の子を助けた勇敢なスパイクに友達ができる。一人前の大人が咲かせることのできる花の色にはそれぞれ意味があり、スパイクは温かい心を意味するオレンジ色の花を咲かせましたとさ……。
他にも、週末に旅行で訪れた富士五湖周辺の観光集落で見たひょうたんの畑が印象的で、ひょうたんが主人公のお話も書いた。きっかけは後日お寿司屋さんでかんぴょう巻きを食べたことだった。
かんぴょう巻きが大好きにも関わらずその原料が何か知らなかった私にとっては、ユウガオの実もひょうたんも同じウリ科の植物であるという事実が大きな発見だった(ちなみに英語ではかんぴょうもひょうたんも同じ英単語で表す)。
ひょうたんとユウガオの実を栽培する農家で出会ったひょうたん太郎とかんぴょう子。仲良く天日干しされていた二人は友達になり、この先自分たちはどこへ行きどうなるのか突き止めるため、農家を飛び出し遠足に出かける……。たどり着いたお寿司屋さんでは、ひょうたんは日本酒の容器でかんぴょうは巻物のネタだった。寿司ランチをする家族を見て、自分は食べられる運命だと知ったかんぴょう子はショックを受けるが……。
最近訪れた沖縄のきれいなビーチで見た、カラフルな貝殻のヤドカリ。名前の通り『宿を借りている』ヤドカリはどうやって自分の住む貝殻を探しているんだろう?疑問に思ったし面白いなと感じたので、次はヤドカリくんの家探しについてのお話を書いてみようと思う。
これからも、まだまだ自分の知らない景色や見たことのないお宝に出会いたい。新しいことに刺激を受け、興味を持って調べたりする中で新しい知識を得る。その発見や感動を、物語を通じて誰かにも伝えたい。
だから私は旅をし続ける。そして書き続ける。
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