下半期はどん底でも、希望が見えた来年。楽しいこと、待ってろよ!

軽い気持ちで2021年の運気を占おうと神社でおみくじを引いた2月。紙を開き、これまで引いたことのない「凶」の文字に、私は今年の雲行きを案じた。
前半はといえば、無事に決まった就職先で社会人1年目を始めて彼氏とも順調で、特に変わりない日常生活を送っていた。
人生で最も病んだ時期に突入したのは8月からだった。彼の仕事の関係で九州と東京との遠距離恋愛がスタートした。それまでは週2、3回会っていたのがゼロになった。
週末に行けない距離ではないけれど、彼がとても忙しくて休みも合わなくて、なかなか会えない日々が何ヶ月も続いた。私にとって彼は精神安定剤のようなもので......。話を聞いてもらったりたわいもないことで笑ったり、そんな時間を楽しみに仕事も頑張れていた。ハグをするとストレスが3割軽減するというのは本当らしい。
とにかく、彼と会えなくなったことが私にとってはとても辛く、遠距離がどれくらい続くか分からないことに気分はどん底に落ちた。仕事終わりや週末、ふとした瞬間に彼がいないことを思い出しては涙を流していた。
彼も寂しがってはいたけれど、忙しくしていることで考える時間があまりないのか、私の方が苦しんでいることも気持ちのすれ違いを加速させた。
泣くと目が腫れるし、のども痛くなって疲れるから泣きたくないのに、涙が止まらない。週1回の電話も、何も決まっていないこれからのことを話し合う度に二人の意見が合わず、状況が改善されないことに悲しくなって毎回泣く。電話の後はいつも、一緒に住んでいる母に心配されていた。
ひどい時は電車に乗っている時も母と外食している時も友達と話している時も涙が出てきて、彼のことを忘れないと、関係をやめないと自分の心が壊れてしまうと思った。でも、そうしたくてもまだ好きだからそれがさらに辛かった。
普通に会えていた日々は当たり前じゃなかったんだ……。週末デートしている周りの友達を見て、単純にうらやましかった。
そんなこんなで、結局12月ごろまで落ち込んでいた私だけれど、振り返れば遠距離になったことで良かった面もある。それは意識をもっと自分に向けられたことだ。
自分を忙しくしていないと気が狂いそうだと思った私は、友達と会う時間を増やしたり趣味を作ってみたりすることにした。これまでは休日といえばなるべく彼氏に会いたいと思って時間をデートに費やしていたけれど、滅多に会っていなかった久しぶりの友達にも積極的に声をかけてみたりして、とにかく人と会うようにした。
そうしたら、彼氏がいたら遊んでいなかっただろう友達とも仲良くなれて、交友関係が広がったように思う。彼氏以外にも気軽に誘える友達がいることはとても大事だと改めて分かった。彼との二人だけの世界になるんじゃなくて、友達が多いことはお互いにとって良いメリハリと距離感を生むから。
それから趣味の方。「読書の秋」に乗っかって、久しぶりに本を読んでみるなどした。そうしたら好きな小説家とエッセイストを発見することができた。
本を読んでいるうちは心が無になって、彼のことを考えずに済むから気持ちがとても楽になった。本のパワーに感謝した2021秋。
そして書くことにも集中した。童話やストーリー作りに力を入れたいと思って、4つほど新しい物語を書いた。
やっぱり自分の時間を持ってスキルをつけることも大事だよなーと実感した2021秋。今思えば、ほぼシングルだったからこそできることや見つめ直せたこともあるなと。遊びとか資格の勉強とか、せっかくだから今のうちにできることをしておきたいと思う。
12月になんとか週末弾丸旅で九州に会いに行けたことと、遠距離が2022年の3月ごろには終わりそうだと見込みが立った今では、気持ちがだいぶ前向きになってきた。遠距離が終わった後のことを楽しみに待てるから。私たちにとって次の目標は同棲だ。
お互い忙しくても夜は同じ家に帰って会えるように、できれば一緒に住みたい。とりあえず2022年の初めには遠距離恋愛が終わることを信じて、来年こそ幸せになりたい……彼と。2021年自分なりに成長できた気がするから、2022年は楽しいこと待ってろよ~。期待を胸に年越しを迎える。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。