私は太っている。
いつだって、そのことがコンプレックスで、周りの目が気になってしまう。
特に、下半身が大きく、人より大きいお尻や足が気になってしまう。
気になるくらいなら痩せればいいんじゃないか、多くの人はそう言うんじゃないかと思う。
でも、私は痩せられない。
そりゃ私だって、頑張ったことは何回もあるし、10キロ単位では無理だったけど、数キロなら痩せた経験もある。
でも、すぐにリバウンドして元通りか、それ以上になってしまう。

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思えば、小学校の頃から悪口を言われていた。
市営のプールで遊んでいただけなのに、クスクスと笑われたり、すれ違いざまに悪口を言われたこともある。
中学校の頃には、何もしていないのに唐突に、軽い、いじめのようなものにもあった。
割と問題児な男子生徒を中心に、クラスのほとんどの男子生徒がグルになって、遠回しに体型を示唆する言葉や、私の机に勝手にほかの男子生徒の私物を置き、いわゆる「菌が付いた~! 」みたいなことをされた。
他の女子生徒は助けてくれなくて。
唯一、味方だったのは、仲のいい友だち一人だけだった。
最初は負けたくなくて我慢していた。だが、次第に精神的に耐えることが出来なくなり、先生に相談をして、少しだけ学校を休ませてもらったことで、事は収まった。
今振り返ると、なんで言い返せなかったのか、もっと早く相談できなかったのか、と色々と思うことはある。だが、私は彼らに何も害を与えるようなことはしていないのに。ただ、当たり前のように学生生活を楽しんでいただけなのに。
私にはそれすら許されないのか。
その当時は、そのようにしか思うことしか出来ず、泣くことしか出来なかった。

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そのような経験もあって、太っているから、可愛い服は着てはいけない、太っているから、化粧をしてはいけない、などと考えた。
私は太っているから、痩せている人と、同じことをしてはいけないんだ、という考えも浮かぶようになった。
外出した先で自分より太っている人を見ると、まだ私の方が痩せている、と思ってしまう。
まして、そういう人が、露出が多い服を着ていると、みっともない、と思ってしまう自分もいた。
我ながら性格が悪いと思うし、周りの目を気にせず、堂々としているその人たちを、羨ましく思う気持ちもあったのかもしれない。
だけど実際は、太っている、と理由をつけて、勝手に臆病になっていただけだったのだ。
そのことに気づいた私は、人のことを貶すくらいなら、自分の意識を変えよう、そう思った。

まずは化粧を始めてみた。最初から派手な色を選ぶことは出来なかったけど、今では好きな色で、ラメが入っているお気に入りのアイシャドウを使用したりして、化粧をしている。
自分で言うのもあれだが、意外にも、化粧をすると自身の顔を可愛いと思うことができ、自信を持つことが出来た。

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ピアスの穴も開けてみた。光に反射して、キラキラと輝くピアスは私のお気に入りだ。
片耳を出して、ピアスが見えるような髪型にも挑戦した。
服は、未だに大きい下半身を気にして、お尻まで隠れる服を選んでしまいがちだが、それでも様々な装飾が付いた服を着てみる。
私は気づいた。太っているからって、やっちゃいけないルールなんてないと。
こんな当たり前のこと、気づかない方がおかしいのかもしれないが、私の気持ちはだいぶ軽くなった。

確かに人は見た目から、判断をしてしまう気持ちは分かる。
きっと私を見て、多くの人が、私に対して太っている、という印象を抱くだろう。
でも、色々なことが出来る今を、そんなことを気にして、縮こまっていても仕方ない。
だから、思いっきり人生を楽しんでやる、と心から思えるようになった私を、私は誇らしく思える。