お祭り騒ぎする若者を見た夫の一言は、私を少しだけ切なくさせた

2022年の年末に、私は夫の実家に帰省をしました。結婚してから初めての年末ということもあり、ものすごく楽しみにしていました。
年末といえば、年明けのお参りと、新年一発目のおみくじ。しかも、地元ではない場所ということで、かなり期待をしていたんだと思います。
しかしその気持ちは、色んな意味で打ち砕かれることになるのです。

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パパと、夫と、夫の友人3人、そして私の6人で、23:45に家を出発しました。初めは、パパの知り合いのところに行くと、「結婚おめでとうございます」と言われ、「あぁ、私結婚したんだ」なんてこそばゆい気持ちになりました。簡単に「ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします」と挨拶を交わし、人生初めて除夜の鐘を鳴らしました。
次に、友人3人と夫、そして私の5人でもう一つの場所にお参りに行くことになりました。始めに行ったところは、とても静かで閑散としている雰囲気があったので、次の場所でもそうだろうと勝手に思っていたのです。
しかし、ついてみると大勢の人で溢れており、ほとんどが10代~20代前半の若者で溢れていました。その様子はかなり異様で、まるで「今日は勝負の日」と言わんばかりのファッションに身を包んでいた人ばかりでした。

極寒の中ミニスカートを履いている人、髪の毛をあらゆる色で染めた男の人たちが大声をあげている。焚き火の場所では、写真を撮る女性グループの後ろにそっと近寄り、一緒に映り込みながら「LINE交換しようよ」とナンパが始まっている。神様そっちのけで、あちらこちらで男女が絡み合い始める。そんな時に後ろから「時代は変わってしまったな。俺らの時代は~」と嘆きながら甘酒を啜り飲むお年寄りの方もいました。
その姿を見て一人の友人は「みんなここでしか、存在をアピールできないんだよ」とボソッと呟くように言っていました。出会いの場所と化した異様な空間に、ふと私は自分の身なりを見直してみたのです。ぐるぐる巻きにされたマフラーに、防寒に特化した真っ黒の上着。靴だって動きやすさ重視だし、何よりマスクで顔は隠れていて、フードを被っていたから何がなんだか分からない姿をしていました。もはや、この場所に一番ふさわしくない格好をしていたのは、私だったのかもしれないと、急に恥ずかしさが込み上げてきました。

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普通の心理状態なら、新年のお参りをすることを第一に考えて、心穏やかに過ごすことが一番なのに、なぜか今だけは自分が一番間違っているような気がしてならなかった。すると今度は夫が「コロナがあったせいで、お祭りも大々的なイベントもなかったから、青春を謳歌出来なかった子たちが、今やっと謳歌し始めたのかもしれない」と冷静に分析をしていました。
その言葉を聞き、妙に納得してしまった瞬間、「あぁ、今はしゃいでいる子たちは、私たちが当たり前にやっていたことを、全て我慢させられていたのか」と少しだけ寂しく、切ない気持ちになったのです。

年を重ねるごとに頭は固くなり、見たままの状況を否定しがちになってしまう。ただ、そういう時こそ、彼らの深いところまで考えられる大人になりたいなと、新年早々思わされる出来事でした。
そして何より、今の時代ではコロナ禍でまだまだ我慢することがあります。それは、もちろん命を守るためであるのは確かだけれど、制限されることで、我慢をし続けてきた事実もある。だからこそ若い世代の子たちが、間違った方向ではなく、伸び伸びと過ごせる時代になっていくことを、少しだけ願ってしまうような年明けとなりました。

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