特集:未来の私は

子どもが暮らしやすい社会をつくる。その夢に近づく職場も見つけた

未来の私は

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私の夢は、栃木県の行政職員という立場から、未来の子どもたちが暮らしやすい社会をつくることである。

私はこの夢を実現させるために都道府県職員を第一志望とし、専門外の分野を独学して内定を勝ち取ることができた。それまで国家公務員も視野に入れていたが、国というトップダウンの視点よりも、地方というボトムアップの視点からの方が各自の裁量で地域政策に携わることができるのではないかと思い、このような判断に至った。

日本は公的資金の教育に対する予算が他のOECD加盟国と比較して低く、生まれ育った環境によって将来が左右されやすい側面がある。加えて、同様の理由で教師が世界一忙しい国であり、地方の行政職員やボランティア人員が教科外教育に携わるのにふさわしい国でもある。
私は行政職員として、現在の状況を踏まえて以下の3点に重点を置いた政策を実行していきたい。

◎          ◎

第一に、児童、生徒の身の安全を守ることを第一に考えた教科外教育を展開することである。
教科外教育は学習指導要領に具体的な明記がなく、各学校の裁量に委ねられており、学校間格差が生じているのが現状である。
そこで、各学校で行われている身の安全を守るための教科外教育(具体的には性教育、交通安全教室、麻薬防止教室等)を一冊の教科書にまとめ、栃木県全ての小中高等学校の12年間で学ぶ体制を整えることによって、学習の定着と学校間格差の是正を実現させたい。

第二に、部活動を開かれたものにすることである。
スポーツ庁の調査によると、公立中学校の部活動では現在でも3割の学校が全員加入制を採っているが、その実体は可視化されているとは言い難い。
そこで、全ての小中高等学校で行われている部活動を検索できるサイトを作成し、自由に閲覧できるようにすることで、生徒が自分に合った活動を選択できる環境を整えていきたい。同時に自由に創部する権利を与え、才能ある生徒を伸ばすことも目指していく。

第三に、子どもを安心して預けられる環境の整備である。
近年、共働き家庭の増加による待機児童問題が深刻となっている。それに伴い保育施設も急増しているが、その裏では大けがや死亡事故といった痛ましい事故も起こっている。
そこで、県内で起こった事故をHP等で公表し、再発防止を防ぐための情報を共有していく体制を整えていく。

◎          ◎

魅力ある都道府県にするには、というテーマで討論が行われた場合、どうしても観光地をPRする、郷土品を作って給食に出す等といった、目に見えた形の華美なものが上がりがちである。しかし、その地域を作るのが人間である以上、最も充実させるべきは人間に対する政策である。
従って、「各都道府県を作るのは人間である」をモットーに県民への人的支援を充実させ、人口減少社会を生き抜く体制を整えていくことが重要である。

そして、最も恩恵を受けるべきは、これからの未来を担う子どもたちである。私は、未来の子どもたちのために第一線で教育政策に携わっていきたい。

◎          ◎

再来年には異動があるが、最近二番目の目標を叶えるために最も適した職場を見つけることができた。
女性職員の少ない職場であるためたいそう驚かれたが、目標に向けての試練だと思っている。部活動として、生徒の自主的・自発的な活動であり、文化的才能を持った生徒の実力を伸ばすことができている勤務校の活動実態についてまとめ、理想的な部活動のあり方を提唱していきたいと考えている。

以上が私の考える都道府県職員としての未来である。一度にここまで大きなことはできないが、現場の教員や職員にインタビューをするところから一歩ずつ前に進んでいけたらいいなと考えている。

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