――著書タイトルの通り「中3で親に捨てられて黒ギャルになりクソ金持ちの婚約者に死なれて鬱になったワイがYouTuberになって年収8000万の今だ」という濃い人生を歩んできたねこあやさん。“体験学習だったら東大レベルです“という言葉が印象的でした。

私は15歳で家をでたときに自分が生まれたと思っているので、まだ10歳みたいなもんだと思っています。中卒なので、学もないし、高校通ってる子と戦う武器ってなんだろうって思ったら「体験」しかないなと。雑誌の専属モデル枠をもらった時も「みんなが学校に行っている時にこんなことしてていいのかな」とも思ったけど、とりあえずやってみようと。

なんでも「体験学習なんだ」と思うようになったら、貧しかったり、虐待を受けていたりっていう“生い立ちコンプレックス”も受け入れられるようになりました。むしろ、コンプレックスは見せ方次第でいいものにもなると気づきました。状況と環境を受け入れていたら楽になって、挫折経験を成功経験に変えられたなって思います。

「クソから咲いた花」が私

私は本の中でも書いているように「便所のなかのクソから咲いた花」だと思っているんです。でも、人って見るのは99%花の部分だけだから。「あいつ根はいいやつだから」っていう言葉をよく聞きますけど、誰も根っこなんて見ていない。だから、とりあえず花を咲かせることに注力しなきゃいけないと思うんです。

――最初は根っこ(生い立ち)の部分は隠していたということですか?

最初は花に注目してもらえないと、うんこ(生い立ち)の部分だけ見せても誰にも見てもらえないですよね。

なので、うんこの部分を噓ついて、隠していたこともありました。例えば、ボロボロすぎる家を見せたくなくて、彼氏に家まで送ってもらう時とか、友達んちのオートロックの番号押して帰るふりしたり。そういうキラキラした部分だけをきりとったブログもやってたんですけど、急にむなしくなっちゃってやめました。

そこからちょくちょく本当の自分をだすようになりました。たぶん、自分のなかのうんこの部分を否定してたら、それ以上自分の花は咲かなくなってしまうんだろうなって。どう頑張っても過去は変えられないから。

ねこあやさん

――今回、あえて生い立ちの部分をさらけだした著書を書いたのも「過去の自分を肯定したい」という思いがあったのでしょうか。

そうですね。お炊きあげ供養。批判もくるかもしれないけど、乗り越えた自分を認めてあげられるかなって。

あとね、うんこは使い方によってはとてつもない肥料になるんですよ。きれいな花を咲かせた人のちら見せするうんこは美しいんですよ。

――???

「ビジュアル×意外性」っていうのがバズりの法則にあるんですよ。それにのっとると、「きれいな花×うんこ」っていう意外性はバズをうむんですよ。今回はそこにも賭けてます(笑)。そういう意味で、ブログやってる時から考えてきたことがちゃんと活かされてるなって思います。うんこも花も含めて私は自己プロデュースしていきたいなと思っています。

これだけ濃い人生を歩んできていると、もう普通じゃ生きていけないんです。平和なまったりとした人生が続くなら、どん底に落ちたいとすら思いますね。

ねこあやさんプロフィール

1994年1月スペイン生まれ。Youtuberになって3カ月でチャンネル登録者数10万人超え、2018年急上昇クリエイター1位に。高校生のころはギャル雑誌『Ranzuki』の専属モデルとしても活躍。

ヘアメイク/福寿瑠美(PEACE MONKEY)