オープンな姉と、しっかり者の兄が立て続けに結婚した

 姉が結婚した翌年、兄も結婚した。喜ばしいことだし、2人には幸せになってもらいたいと思う。けれど急に大きく変化する「家族の形」に、妹として今後どのように身を振っていくべきなのか考えることがあった。

 姉は何でもかんでも話してしまう人だ。義兄と付き合ってる時から結婚式まで、いろんな話をしてくれた。義兄も人見知りをしない人で、実家に来る時も驚くほどリラックスしてくれるから、家族とも慣れるのが早かった。さらに義兄の家族も気遣いのできるとても良い人たちで、両親との関係もとても良かった。

 結婚式の準備は、義兄が忙しいため姉がほとんど一人で準備をしなくてはならなかったから、母と私もドレス選びから披露宴で流す曲選びまで、大好きな姉のために微力ながら手伝わせてもらった。だから結婚式は私も達成感を感じられる、とても良い式になった。

 その翌年、兄が結婚した。兄は小学校と高校の卒業式で答辞を読むようなしっかりした人で、ちょっとだけ自慢に思っている。就職して東京にいた兄は、実家を継ぐと帰ってきてしばらくして、彼女を家に連れてきた。兄の高校の同級生だった義姉は、とても可愛らしい人だ。

義姉の家族との関係性と距離感に、気が重くなってしまう

 ただこうも毎年続くと、二つの家庭をついつい比較しまうことがあった。最初の出来事は、一本の電話だった。ある日の夕方、家の固定電話が鳴った。夕飯の支度をしている母が出ると、すぐに妙な顔をした。

 義姉の母からの電話だった。内容は「娘が家出した」とのことだった。そのとき義姉の両親が急に結婚を反対し始めたと兄から聞いていたので、なんとなく原因は察することができたけれど、まだ顔合わせもしていない内に家に電話をかけてきたことが驚きだった。そのあと仕事から帰って電話に出た兄が「ちくっと言われちゃった」と笑うのを見て、私は義姉の母が大嫌いになった。

 その後、正直無事ではなかったけれど顔合わせから引っ越し・入籍が済んだ。結婚式の準備は「普通は二人でするでしょ」と全て二人でやってしまったので、お手伝い出来ずに少し残念だった。さらにコロナの影響を受けて延期になったり、なぜか結婚式場の不手際が多かったりと、何となく気の重い当日を迎えることとなった。何か一つ気に食わないことがあると、些細な欠点まで余計に気になってくるもので、当日私は立派な小姑になってしまっていた。

親しき中にも礼儀あり。そのバランスを整えていくために

 うちの家族は仲が良い。兄弟は姉と兄と、もう一人弟がいるのだが、全員が成人してさらに仲良くなった。なぜここまで仲良くできるのかというと、原因は父方の祖母にある。祖母は二人いる妹と不仲で、今は絶縁している。小さい頃からその争いを間近で見てきた私たちは、彼女たちを反面教師に「ああなりたくないな」とずっと思っていたのだ。

 「もし子どもが全員結婚して、孫がいっぱい生まれたら、マイクロバス貸りて全員で旅行したいな」と父が以前よく楽しそうに夢を語っていた。想像するだけでなんだか楽しい気持ちになってくる。

 私にも夢がある。いずれ可愛い姪や甥が生まれたら、叔母として全員を全力で可愛がってあげたい。そして少し変わった身近な大人として、子どもたちに良い影響を与えたい。だからこそ、義姉とも仲良くなりたいなと思う。その夢のために、私はいったい何ができるのだろう。

 家族の距離感は難しい。近すぎてもダメだし、離れすぎてもダメだ。親しき仲にも礼儀ありなのはもちろんのこと、お互いに尊重し合って適度なバランスを保っていかなければいけない。私はそのバランスを整えていけるような役割ができたら良いなと思う。

だから今度義姉に会った時は、私から話しかけてみよう。彼女の両親のことは置いておいて、一度ちゃんと彼女とケーキでも食べながら向き合ってみようと思う。まず一歩、寄り添ってみよう。