最近、お家時間が増え、ふと気づいた事がある。
私はきっと、会社員になってから、無意識のうちに理不尽を感じる神経を1本抜いて、そして、いつの間にか、理不尽に対する自分の感情に蓋をしていた。
政治に関しても、何に関しても、自分の事でなければ“無”だった。
英会話で教えてもらった言葉「Kill them with kindness」
そんな時、cafe英会話を始めた。
私の担当は、可愛らしくて優しい、まだ学生の女の子。
全く違う文化で育ったはずなのに、価値観に共感できる事ばかりで、もう英語の上達はそっちのけで、ただただ彼女との会話が楽しかった。
「日々いろんな人と関わっていると、こちらが何もした訳でも無いのに、とても感じが悪かったり、その時の自分のイライラをぶつけて来たりする人もいて、それでも笑顔で頑張るけど、本当に疲れてしょうがない時がある。」
こんな話をした時に、彼女もカフェでバイトしていた時の事を思い出し、とても共感してくれた。
そして、英語でこの言葉を教えてくれた。
“Kill them with kindness”
(自分に対して失礼で嫌味を言ってくる様な人に対しても、自分の優しさで圧倒する)
食事でも、「ちょうど今!これを体が欲していた」という食べ物があるが、この言葉は、私にとってまさにそうだった。言葉なのに、体に染み渡るようだった。
会社員になってからいつの間にか、私は理不尽を飲み込んで感情の神経を抜いていた
どんな理不尽にもニコニコ応える事に、意味はあるのだろうか?
間違っている事にそうじゃ無いフリをして、「自分が飲み込めばいい」と何で自分で自分を殺しているのだろうか?
考えるのも疲れていた。それを頻繁に思わないように、いつの間にか、仕事の時は自分の感情の神経を抜いていた。自分の色を出して、言いたい事を言える人の方が、お金を稼ぐ人よりも、私からしたら喉から手が出るほど羨ましくてしょうがなかった。
でもこの言葉を聞いた時、今までの自分は間違いでも無駄でもなかったと、私を肯定してくれている様な気がした。
私が28年間いろーんな人から貰った優しさ、この人に分けてやろう
同時に、この言葉の様に、自分に対して失礼で嫌味を言ってくる様な人、そんな相手を変えられる人になりたいと思った。
私がもっともっと素敵な人になって、感じの悪い人が、嫌味を言ってくる人が、ちょっとその日いろんな事が重なってイライラしてた人が、優しい気持ちを思い出すくらいに。
自分のその態度が出てしまった事を恥ずかしいと思うくらいに。
それから、そういう人と出会った時は、より笑顔を意識して、よりいろいろな事を気に掛けて、腫れ物を触る様にびくびくするのではなく、優しい気持ちで対応する事を強く心がけた。
そうする事で、最初より優しくなる方が多い事が嬉しかった。
何より自分の心がとっても軽かった。
私も人間だから、相手に対して「何て性格の悪い人なんだ!」と思って接しそうな時がそれでもまだまだある。
でも、その度にこれを思い出す事で、「よっしゃ、やったろ。」、「ここで出会ったからには、私が28年間いろーんな人から貰った優しさ、この人に分けてやろう。」と、心の中で思うのである。
誰しも辛い時がある。どうしても、人に優しくする余裕が無い時がある。
それは痛いほど分かる。
だからこの言葉は、これからもずっと私の大切な御守りにしていこうと思う。