いじめにあっていた私の味方だったのは、あの子だった。
ユウカちゃんは味方だった。

いじめにあった時、変わらず接してくれる彼女の存在が嬉しかった

中学1年生の時、いじめにあった。
理由は分からない。もしかすると昼休みに王様ゲームをして遊んだ時、「1番の人は2年生の教室を覗いてくるのはどう?」と提案したことが原因かもしれない。2年生の教室に行かせるなんて、なんて心ないヤツなの。サイテーだわ!と思われたのかもしれない。
とにかく1年生の夏頃には、女子の輪からはじき出され、陰でヒソヒソ(と言っても聞こえるように)悪口を言われ、お弁当は1人ぽつんと食べていた。
耐えられなかった。体育の時ペアを作れず、先生と組むことが。調理実習の時、自分だけ役割を与えられないことが。永遠のような昼休みを誰と話すことも無く、遠くで聞こえる自分の悪口をBGMに過ごすことが。
思春期真っ只中。誰にも相談できない。死んでしまいたい。そう思っていた。
そんな中変わらずに接してくれたのは、ユウカちゃんだった。

ユウカちゃんは大人しくて、物静かな生徒だった。みんなが私を無視する中、「おはよう。」と囁くような声であいさつをしてくれた。私はそれだけで嬉しくて、今日だけはがんばってみようかな、死ぬのは明日でも遅くない、と思うことにしていた。
でもある日、本当に、本当にどうしても耐えられなくなって、消えてしまいたくなって、誰かに助けてもらいたくて、藁にもすがる思いでユウカちゃんにメールした。
「みんなに謝りたいのだけれど、どうしたらいいと思う?」みたいな内容だったはずだ。
でも1時間待てども、2時間待てども、返信が来ることはなかった。

私のメールみんなに見せたのか。その瞬間、全てどうでもよくなった

次の日登校すると、おはよう!とみんなから挨拶の声が!
なんてことはなく、いつも通り変わりない教室だった。
ただ1つ、ユウカちゃんの席にみんなが群がっていることを除けば。

プッ、謝りたいだってアイツ、バカじゃね?
てか誰も口聞きたくねーから!
ユウカも災難だねー。
アハハ。アハハ。

ああ、ユウカちゃん。私のメール、みんなに見せたのか。

その瞬間、「死にたい」を通り越して、全てがどうでもよくなった。
なんで私は、自分をいじめてくる奴らに固執しているのだろう?
このクラスには他のグループもあるし、1人が嫌ならそっちに行けばいいではないか。
昼休みはわざわざ教室で過ごさずとも、別の場所で過ごせばいいだけではないか。
むしろ行きたくないなら学校なんて、行かなくてもいいではないか!
こんなことをされながらも登校する私って、偉すぎる!

あなたのおかげで、人を容易に信用してはいけないことを痛感しました

それから私は全ての物事をどうでもいいと思いつつ、体育は都合のいい体調不良で見学し、調理実習の日は風邪のようなもので休み、昼休みは美術部室で静かに過ごした。
そのうちみんなはいじめに飽きて、制服が夏服から冬服に変わる頃には、私の悪口で盛り上がることはなくなった。
ユウカちゃんありがとう。あなたのおかげで私は、人を容易に信用してはいけないことを改めて痛感しました。

もし今いじめで悩んでいる子がいたら、これだけ伝えたい。
学校なんか真面目に行かなくても、案外なんとかなる!
保健室登校でもいい。図書館で過ごしてもいい。死のう、なんてマイナスなことを考えるなら、学校なんか休んで家でゲームでもしよう!
私とNintendo Switchのフレンドコードを交換しよう!
プラス、ユウカちゃんに騙されるな!
この世には味方のフリして、えげつないことをやる人間がいる。
こいつが1番怖いのだ。