特集:ふった理由、ふられた理由

親友だった幼馴染の彼。世界一幸せだった私は、180度態度が変わった彼に別れを申し出た

ふった理由、ふられた理由

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彼とは幼馴染だ。お互いのことならなんでも知っていたし、喧嘩もしたし、ずっと黙って隣にいても苦じゃない、親友だった。
親友として長く続いたその関係を終わらせたのは私からだった。悩みに悩んで、最後は我慢できなくなって告白した。
一週間後にもらった返事はあまりに嬉しくて夢なんじゃないかと思った。あのとき世界で一番幸せなのは自分だったと今でも思えるくらいに彼のことが好きだった。

電話もメールもいつも私から。彼にとってはしがらみなんじゃないか

彼が所属していたクラブチームは恋愛禁止だったから、付き合っていることを秘密にしていた。密かに付き合っているという状況も二人だけの秘密のようで嬉しかった。電話もメールもたくさんした。
誰もこの関係を知らないのに、気恥ずかしくてみんなの前では話しかけることも出来なかった。たまに彼から声をかけてくれた時は、嬉しさと恥ずかしさで目を見て話すことが出来なかった。その夜は、そんな態度をとった自分を本気で恨んで嫌われていないかと心配でうまく寝れなかった。
いつも振り回されるのは私。電話もメールも私からした。
彼の好きと私の好きはあまりにも大きさが違っていたことにその時は気付けなかった。彼とずっと一緒にいられればなんでもよかった。

付き合って半年くらい経った頃、彼が私の友人に告白されたという話を聞いた。
付き合ってからの彼は自分のことを私にあまり話さなくなっていた。彼の口から告白のことを聞いていなかった私は動揺した。そもそも友人と彼が仲が良かったことも知らなかった。友人はもちろん振られた。

が、振られるとき彼に、好きだけど付き合えないと言われたらしい。友人の負け惜しみだったのか、本当のことだったのか。嘘をつくような子ではないことは知っていた。ちょうど彼との遠のく距離に悩まされていた私は、彼に可愛く聞くことも問い詰めることも出来なかった。
かと言って、彼と付き合っていることも言えない。彼女という立場は名ばかりで、彼にとって私はしがらみなんじゃないかと思った。

環境が変わり、180度変わった彼の態度についていけなかった私は別れを申し出た

それからしばらくすると個人的な事情で私は忙しくするようになった。反対に、彼は所属していたチームを卒業し、今までの忙しさはなくなっていた。
その頃になると、彼は私との関係に興味を持つようになったらしい。今まで私からしていた電話やメールは彼からすることが多くなった。関係のその先を求めるようなことも言われるようになった。今までと180度変わった彼の態度に正直ついていけなかった。彼女として大事にされることをこんなにも望んでいたのに。

忙しさとずっと引きずっていた彼への寂しさもあり、私は彼へ別れを申し出た。あっけなかった。彼が私と別れることを渋ったのが奇妙に思えた。私は疲れていた。

別れて数年後、私の知らない大人びた笑みを見せる彼に再会した

別れてから数年後、彼から急に連絡があって久しぶりに会うことになった。
その頃には、彼とのことを遠い思い出に思えるくらいには吹っ切れていたし、生活も充実していた。

実際に会ってみれば、昔よりも少し明るくなった彼に、知らない人を見ているような気持ちがした。
話を聞いてみれば、一年付き合っている彼女がいてその子とうまくいっていないらしい。
どうしたら別れられるか相談された。「大事なんだけど自分には重くてさ」と言いながら苦笑する彼を見てなぜか納得してしまった。

あの時もそうだったのか。
告白された友人にも、私の知らないこんな大人びた笑みを見せていたのかもしれない。
彼にとって、私がそんな笑みを見せる相手になったのが寂しかった。ずっと忘れていたあの痛い気持ちが思い出された。
彼女になってからの私はいつも彼の特別になれなかった。特別になれないのに彼を幸せに出来るのは今の彼女じゃなくて私だと思った。
でも言えなかった。

本気で好きだったのも、嫌いだったのも、最後まで私だけだった。

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