「就活は人生がかかっています」「就職する会社であなたの人生は決まる」など、「就活」をしていた大学3年生から4年生にかけて、大学内の就活に特化したセミナーなどでそういう言葉をたくさん耳にしました。
実際に、就活をしている時、私自身もそう思っていました。
誰々さんはもう内定を3つももらったらしい、などそう言った言葉を聞くたびに、まだ内定をもらっていなかった私は焦る気持ちと、早く私も決めなきゃ、という気持ちになっていました。
そして、内定をたくさんもらっている人は、自信に溢れ、どこか誇らしそうな表情をしていました。

自己分析をすればするほど、自分がちっぽけな人間に思える毎日

私は、就活を始めるときに、文章で伝える仕事に憧れがあり、記者になりたくてマスコミ業界を志望していました。でも、ほとんど面接まで進めることができず、書類審査でことごとく落ちてしまいました。
ひとつふたつとたくさん落ちるたびに、お祈りのメールが届くたびに、どんどん自分がダメな人間で、価値がないのではないかと思うようになっていました。

文章で誰かの心を動かしてみたい!マスコミ業界で働きたい!そう意気込んでいたのですが、いつしか内定をどこでもいいから欲しいという気持ちに変わり、違う業界や職種も視野にいれ、色々な会社にエントリーしました。
エントリーシートには、これまでの自分のことをアピールしなければなりません。会社から見て、採用されたいと思えるように書かなくてはなりません。
そのために、自分のやりたいこと、自分に向いている仕事、自己分析をしてみますが、すればするほど、これといって特出した長所が書けず、当たり障りのない、誰かの真似のようなエントリーシートになってしまい、ますます自分がちっぽけな人間に思える毎日でした。

ほとんどの友人が内定をもらっていき、もしかして自分は、このまま内定はひとつももらえないのかもしれないと思っていたとき、何気なくエントリーした会社に内定をようやくもらうことができました。
自宅に内定通知がきた時、自分という人間が初めて認められたような気持ちになりました。

たくさんの人に止められた内定先だけど、就職したことに後悔はない

でも内定をもらった会社は、地元ではない場所にある会社でした。
周りの人たちには地元がいいんじゃない?辞めておいたら?と言われる事が多く、特に希望していた職種ではないこともあり、そうなのかもしれないと思い、嬉しい気持ちも束の間、また就活をしなければいけないのかと悲しい気持ちになりました。
大学のキャリアセンターで内定をもらった事を伝えても、あなたには地元があっているんではないかと思うけど大丈夫?ほかにも会社はたくさんありますよ。そう言われました。
せっかく自分を採用したいと思ってくれた会社に出会ったのに、全てを否定されたみたいでとても残念でした。

現在私は27歳ですが、今も、その会社に私は勤めています。この会社に就職したこと、後悔なんてしていません。

仕事を通して色々な出会いがありました。学びがありました。
現在勤めている会社に行くと決めた時、すぐに地元に帰ってきていいんだよ、そう言う友人がほとんどでした。
私が地元を離れて生活していけると誰も思っていなかったのだと思いますが、まだ現在もここにいます。

就活で人生は決まらない。大人として、社会の一員になるための通過点

今現在就活をしている学生の皆さんに伝えたいのは、内定をたくさんもらうことはすごいことかもしれませんが、最終的に行く会社はひとつなのです。
あなたを採用したいと思う会社に出会うことが大事なのです。
内定をもらった会社が、あなたの希望していた仕事ではないかもしれなくても、とりあえず働いてみる。それでも私はいいと思います。実際に働いてみて本当に違うと思えば、違う会社をまた探すということももちろんできます。

就活を振り返ってみて思うのは、有名な大手企業に内定をもらったとか、内定の数が多いとか人から見てどうなのかではなく、自分をしっかりと持って就活をすることが大切だということです。
就活をする人のほとんどは20歳前後だと思います。まだ自分の人生を語れるほどアピールポイントがないのは、正直言って当たり前だと思います。
就活なんかで人生は決まりません。
長い人生、どうして最初に勤めた会社であなたの人生が変わるのでしょうか。
就活は人生のただの通過点です。
学生という立場から、ひとりの大人として社会の一員になるための通過儀礼に過ぎません。だから大人になるための通過点だと思って、周りと比べず、力を抜いて就活をするのが大切だと思います。