世の中がコロナの自粛、自粛で引きこもっていたあの時のお話。当時職場の意中の彼(現・おしぴ)から「今月からカラオケ大丈夫っぽいぞ!!」とのLINEでトントン拍子にカラオケに行く話がまとまった。
たかだか1週間ぶりでこんなにも緊張するものなのか。はたまたコロナの自粛を経て、久しぶりに人と娯楽を楽しむからなのか。私が意識しすぎてるせいか。昼ごはんに食べた煮込みうどんの味がしなさすぎて、思わず笑ってしまった。
久しぶりのフルメイク。マスクするし、見てないのはわかってるけど。可愛い朱色のワンピースを着て、香水をつけて、遊びの格好をしたかったということを口実に。
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13時が約束の時間だ。着いたら彼の車はあるものの、そこに姿は見えず。カラオケ店の中まで入って覗くけども姿は見えず。カップルだったらもっと丁寧な待ち合わせなんだろうなぁと邪推してしまう。こんな邪推をしちゃうくらいに待ち合わせは苦手だ。
自分が早く来た時、相手が来なかったらどうしようと思ってしまう(彼以外にもその場でブッチされた経験はない)。結局遅刻ギリギリになって、そんなにワクワクしてませんよのていを出してしまう。めちゃくちゃワクワクしてるし、嬉しいのに。20代後半でこれはめちゃくちゃダサい。
「中におるで」とLINEが来て、もう一度店の奥まで行くと、いた。挨拶そこそこに私の格好を見て、「人でも殺してきたか」と。緊張する必要性などどこにもなかった。
コロナ自粛以前もちょくちょく仕事終わりにカラオケに行っていた。その日によって、歌う曲のテイストが微妙に異なると勝手に思っている。その時にハマっているバンドの曲が多くなるというわけではなくて、あくまでも曲のテイストが異なるのだ。
今日は明らかに疾走感がある歌が多い。調子は悪くないのだろう。ただ、結婚とかハッピーエンド系の歌を歌う様子に誰を想ってるんだとこれまた邪推し、1人狼狽。妄想が豊かというのは、いい意味でも悪い意味でも困ったものだ。
その様子を見て「○○さんが、なんで狼狽えてるの」って向こうは苦笑する。なんで下の名前で呼ぶんだ。いつもは職業柄決まった呼び方があるがたまに下の名前呼びをしてくるから、ときめいてしまって、もっと好きになってしまう。嬉しいけど。
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この自粛で聴いていた曲が相手にハマらなかったのが地味にショックだった。そして好きな人の前で軽いモノマネはダメ。癖が強すぎる。部活の先輩の前なら爆笑だったはずなのに。
音楽の趣味の隔たりは大きいのか。相手がその曲を知っていようがいまいが好き勝手にやっているが、彼の影響で同じバンドを好きになったりもしたが、その他はあまり、趣味趣向に交わりがないようだ。
交わりを感じさせないことに、以前からぼんやりとした絶望を感じている。でも、この曲は疲れた時に聞いた方がいいと、お勧めをまた教えてもらった。嬉しかった。
20代後半にして門限がある私を笑いながらも、その時間を気にして合わせてくれるところも好きなところだ。駐車場までなぜか、私の後ろを歩いてたことが引っかかったが。隣で歩きたかったなぁ。
雰囲気もなんか違うけど、何もなかった。まぁ、こんなもんだろう。