1人暮らしをしているわたしのモットーは、仕事の日に家事を一切しないこと。
あの頃、わたしはシフト制の仕事をしていた。
フルタイム勤務で、5勤2休よりも、3or4勤1休が多かった。
仕事の日は家事お休みデーのため、買い物も料理も洗濯もしない。
代わりに、休みの日の家事は重くのしかかる。
起きたら洗濯、掃除、買い物、翌日以降の連勤分のご飯を3食分用意する。
ものすごく薄給だったので、節約をしないと生きていけず、買い物は少しでも安く抑えるために、遠くても歩いて安いところへ行っていた。
もし、翌日以降が4連勤だったら、買い物をして当日の夜ご飯と、連勤4日間×3食と、次の休みの日の朝ご飯までをその日に用意して、冷凍庫に詰める。
「楽したい」そう思うことも数えきれないぐらいあったけど、外食をしたりコンビニで買うような余裕はないから、仕方がなかった。
◎ ◎
自炊は1回で4~5日分。色んなことを考えて作る。
例えば、できるだけ野菜をたくさん摂れるように。
旬の野菜には、不思議とその季節に不足しやすい栄養素が含まれている。そして安い。
だから、今の季節に採れる野菜を調べてから買い物に行く。
ちゃんとたんぱく質も摂れるように。
肉や魚は高いから、夜のスーパーの割引品を活用したり、業務スーパーとか量が多くて安いところで買って、小分けにして冷凍する。
それから、肉や魚より安い卵や大豆製品を利用する。
栄養と値段とボリューム、それぞれ考えてコスパを調整する。
何件もスーパーをハシゴするため、買い物に1~2時間はかかるし、何日分もを一気に作るから調理に3~5時間かかる。
洗濯だって、何日も溜め込んだらそこそこの量になるし、休みの日には布団や枕カバー、トイレのカバーなど、洗いたいものが盛りだくさん。
1回の洗濯で終わるとは限らないし、干して畳んだら溜め込んでいる分、最低でも1時間はかかる。
◎ ◎
昔の名残で今も若干潔癖症のため、掃除はかなりこまめに行う。
とにかく絶対にGと遭遇しないように、家事をしないがモットーの仕事日も、唯一やる家事がお掃除。
床でごろごろしたい!そう思ったときだけ、とりあえず掃除機をかける。それからごろん。
休みの日ももちろん掃除機をかけるし、布団を洗ったりホコリが舞うような家事をすればさらにプラス1回掃除機をかける。
トイレ周りや排水口などは、1休みにつき1か所の掃除が目標だ。
掃除をしたいというよりは、とにかく住まいを自分が心地よく住めるように保ちたい。
きちんとやれば、どこか1か所でも1時間コース。
ここまで済ませば、だいたい7~8時間になる。
仕事の日に家事をやらないことがモットーのわたしだが、これではまるで、明日から仕事に行くために休みのすべてを捧げているみたいになってしまう。
仕事も1日8時間労働、休みの日も8時間労働。
家事が趣味、というわけではないから、これでは心が休まらない。
彼氏がいたから、彼氏にも会わなくてはいけなかった。
遠距離でもないのに、1か月も2か月も「会いに行く元気がありません」なんて言えなかった。
本当は、1人で家でゆっくり過ごしたい。
それも叶わず、数少ない連休はデートに費やした。
◎ ◎
仕事のために、休みの日を生きる。
連休も、家事と義務感に苛まれたデートに消えてしまう。
休みが休みでない。
そんな生活はわたしの心を蝕んだ。
仕事を辞めて、すっきりした。
エッセイを書きたかったのに、テーマの期限に間に合わず、投稿に至らない。そんなこともなくなった。
ご飯は作りためなくてもいいし、買い物と自炊は同日でなくてもいい。
金銭的にはさらに苦しくなったけれど、今は家事が負担じゃない。
わたしのお休みなのに、お休みじゃなかった日々は終わった。
次の仕事をはじめるまで、正真正銘「わたしのお休み」を謳歌する。