教室で一人ぼっちの私に、家族のなかで鬱屈をためていた私に、何げなくかけられた言葉。それが、地獄にいる私の救いになった。それが、私の心を決壊させる一押しになった。ささいなきっかけが私たちの関係を変え、さらに私の「その後」へとつながっていく……9月に掲載されたエッセイのなかから、多く読まれた5本を紹介します。

①ぼっちだった私。地獄のような日々を救ってくれたクラスメートがいた(倉田あき)

あらすじ)一緒に行動をしてくれる友人がいなかった中学生の私に、前の席になった男子が話しかけてきた。彼と話すことが、私の楽しみになっていった。ある時、彼と誕生日が一緒だということがわかり、彼は「運命の赤い糸で結ばれてるんだね」と笑いながら言った。

②北海道で体感したアイヌ文化の美しさ。無知だった私は「学び」の旅に出た(Shizuka)

あらすじ)北海道で働き始めた、東京出身の私。アイヌの文化を目にして関心を持つようになり、アイヌの人たちが暮らす釧路市阿寒町をひとりで訪れた。そして「アイヌ民族の復興」に携わる⼈々に出会い、その取り組みを間近に⾒ることになった。

③私よりずっと貧しかった彼は、私に「俺と生きればいい」と言った(くじら)

あらすじ)決して裕福とは言えない家庭で育った私。それよりもさらに貧しかった彼は強く、よく働いた。そんな私たちは「困っている人たちが、今より生きやすくなる手伝いをする」を目標に据え、動き始めた。

④クソみたいな世界に苦しんでいる私に、ばぁちゃんだけが謝ってくれた(シャチ)

あらすじ)「将来はどうするのー?」と、のんびりとした様子で祖母が聞いてきた。普通に会話をしているうちに、抱えていた不満とねたみがあふれてきた。自由に生きている姉と、それを許す両親。涙目で話す私に、祖母は「ごめんね」と言った。

⑤私たちを見下す親戚に、母は「頭がいいだけの人には」と言い返した(くじら)

あらすじ)勉強がよくできる親類ばかりの中で、出来損ないだった私。そして難関大学に合格したにもかかわらず、弟も悪く言う親戚がいた。父も言い返すことはなかった。そんな親戚に、母は「頭がいいだけのしょうもないのにはならないよう、しっかり育てます」と言い返したのだ。

9月に読まれたTOP5のエッセイは、このようになりました。
さらに6位以降は次の通りです。こちらもぜひ読んでみてください!

私をいじめてきた同級生たちの涙。軽蔑できたのは私の勲章(宇佐)

「ごめん」は言わない代わりに、たくさんの「ありがとう」を元彼へ(みつる)

ひとめぼれして見知らぬ街に住み始めた私を、群馬の空が支えてくれた(空の音)

好きな人を拒んだ私。涙を見せなかったことを今は誇りに思う(ちっちとぽっぽ)

会社員になって環境は変わっても、私の中で変わらないもの(吉原茉依香)

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