「(かおりんは)男女平等とか、ジェンダーのテーマにはうるさいのに、プロポーズは男がやるべきって言うの?そんなの矛盾だよ、おかしくない?」

来月、私の実家に結婚の挨拶をするパートナーが放った一言だ。
この一言は私の視野をぐーんと広げた。
女性だからなんて理由、私が使っちゃいけない。もっと強くいきよう」と決心させてくれた。

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世の、結婚しているカップルに声を大にして聞いてみたいことがある。
「ドラマみたいな胸キュンプロポーズあった?」
ここで、「いや、ちゃんとしたプロポーズはなかった」と答える割合はどのくらいだろうか。

私の周りの既婚女性には、プロポーズをされた人もいれば、プロポーズがなかった人もいる。ちなみに男性に対してプロポーズをした女性は今のところ、私の周りにはいない。

プロポーズを経験した大多数の女性は、「した」側じゃなく「された」側だろう。

偏った見方であることは承知の上であえて言うとすれば、「結婚したい」と結婚への強い願望を持つのは男性よりも女性だと思う。

それは、ウエディングドレスへの憧れかもしれないし、「女たるもの結婚して子どもを産んでやっと一人前」という古びた根強い価値観のせいかもしれない。

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結婚について考えると、彼氏との日常会話で、「結婚」の「け」の字も出てこないと不満げに話していた女友達のことを思い出す。

「職場の同期の◯◯さん、今度結婚するって聞いてびっくりしちゃった」と、さりげない普段のコミュニケーションのなかで、彼氏にプレッシャーをかけたことのある女性は、どれくらいいるだろうか。

たいていのプロポーズは、男性がする。

ドラマや映画の世界だけでなく、例えば、ジュエリーブランドの広告でも、箱をパカッと開けて、ダイヤの光る指輪を取り出し、「結婚してください」と言うのは男性だ。

だけれど、現実世界では、その男性からの「結婚してください」なんて、ただの上辺に過ぎない。その裏側には、女性からの「ねえ、そろそろ結婚とか、考えようよ」という根気強いアプローチがある。

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私とパートナーは、プロポーズを経験することなく、夫婦になる。
今のところ、プロポーズされていないし、私はプロポーズするつもりもない。

結婚に憧れがない私。形にこだわらず事実婚で十分と思ってしまう。披露宴でケーキ入刀したり、新郎新婦で出し物するなんて恥ずかしいと思うタイプ。

一方、パートナーは、「25歳で結婚して、30歳前後で子どもが2人いて」と考えていたけれど、25歳で結婚なんて夢のまた夢と気付いた人。もうすぐ30歳、同年代の結婚式に呼ばれるようになり、結婚式がしたくなったそう。

彼は、仲良い同僚夫婦に私を紹介したりと、次第に周りから固め始めた。
家でのんびり過ごし、ベッドで一緒に横になっていたときに、彼に「結婚する?」と聞かれた。

笑っていたから冗談だと思った。

それ以降も、ふとした時間に「親挨拶いかないと」「来年一緒に住もう」と将来に関するアプローチを受けながら、本気じゃないだろうと私は受け流していた。

私には、22歳の頃、両家顔合わせまでやっておきながら結婚しなかった過去がある。経験者は語る、と上から目線で話すわけではないけれど、結婚は大変だ。

まだ彼にその覚悟はないだろうと思い、明確に「はい」と返事をしないまま過ごしていると、「かおりんが鉄壁すぎて、全然前に進まない。結婚しないの?もう結婚する気なくなった」と叱られた。

20代後半の彼女にプロポーズを迫られている30歳前後の彼氏の気持ちが、私にはよくわかる。

「ちゃんとプロポーズしてくれてないじゃん」と笑って返事をしたら、あの一言があった。男だって専業主夫になってもいい、って言うわりに、プロポーズは男の役目なのね、と。

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私は今年で25歳。
新卒で入社した職場に2年10か月勤め、転職という形で今年新たな環境に飛び込む。
退職を伝えたとき周りの反応は様々だった。

「おめでとう!」と喜んでくれる人も、驚く人も、名残惜しそうにしてくれる人もいた。

唯一私の心に引っかかってしまったのは、私の後任となった育休終わりの30代前半の同僚が言った言葉だ。

「結婚や出産をすると色々と制限が出てくるから、若いうち、身軽なうちに、キャリアもプライベートもやりたいことを満喫してください」

ものすごくもやもやした。
きっとその同僚は、人生の先輩として、同じ女性として、親切心で言ってくれたと頭の中では分かっていても、私は、「結婚して出産する前に、今のうちに転職してチャレンジングなことをしよう」という気持ちで転職するわけではないからだ。面白いことをもっと経験したいと思って転職するのだ。

だけれど周りからは、「結婚して出産して、子どもが小さいと、時短勤務も希望するだろうし、転職しにくいよ」と言われる。

パートナーがいる私は、次の会社に在籍している間に結婚、出産を経験し、10年程度働いて、転職してキャリアアップを目指すなら子どもが小学生になったら、と勝手に私のキャリアプランが決まっていく。

ただ私も色々な現実を見聞きしていると、たまに弱気になってしまって、「私は女性だから……」という理由で、キャリアも人生も大変という弱音をこぼしてしまうのだけれど、もっと強くいきようと思う。

「女性だからね、色々家庭のこともあって、大変でしょ」と諭されたり、自分の希望とは違う形でマミートラックに乗せられそうになったら、「いや、私は私なので!」と強い自分を貫き通しておきたい。