haru.さん「自分にあった生理用品を選べるようになったのは革命的」
最近では生理用品も、ナプキン、タンポン、経血カップ……など、様々な選択肢が増えてきました。大学時代からインディペンデントマガジン「HIGH(er)magazine」の編集長として、生理やセックスなど幅広いテーマを扱ってきた株式会社HUGの代表取締役haru.さんに「生理との心地よい付き合い方」について聞きました。
最近では生理用品も、ナプキン、タンポン、経血カップ……など、様々な選択肢が増えてきました。大学時代からインディペンデントマガジン「HIGH(er)magazine」の編集長として、生理やセックスなど幅広いテーマを扱ってきた株式会社HUGの代表取締役haru.さんに「生理との心地よい付き合い方」について聞きました。
――ご自身が編集長を務める「HIGH(er)magazine」で生理やセックスについて取り扱おうと思ったのはなぜでしょう?創刊された2015年、今よりもっと発信しにくいテーマだったのかなと思うのですが……。
私は小学校の時の2年半と、中学3年生から高校3年生までの計6年間、ドイツに住んでいました。その時に読んだウェブマガジンで、女の子たちが自分の体について自由に話しているのを読んで、そうした女の子たちの「セーフスペース」みたいなものをつくりたいなと思ったのがきっかけです。
「生理のことをやるぞ!」というよりは、ファッションも映画も、政治も全部ごちゃまぜに、同じくらいの目線で作りました。それが、日本では斬新にうつったのかもしれません。なんとなく「日本の性教育は遅れている」という印象はありましたが、そこまでタブーだとは思っていませんでした。
――日本の性教育が遅れているな、と感じたのはどういう時ですか?
小学校の時の性教育がすごく印象に残っています。女子だけ集められて、生理の話を聞いたんです。「なんで男女を分けるんだろう?」って疑問に思いましたね。
ドイツの子たちは、小学生のときに男女同じ教室で生理について学ぶのはもちろん、ペニスの模型にコンドームをつける授業もあったそうです。
日本では、なんとなく生理やセックスの話はしづらいのかなあと思います。話しづらいから、情報共有もされないのかなって。
――ご自身が最近、生理のことで新たに知った情報はありますか?
一人暮らしをするまで、ずっとお母さんの買ってきたナプキンを使っていたので、自分でナプキンを買うようになって「こんなに種類がたくさんあったんだ!」と驚きました。私は、最近はライナーとタンポンを併用して、終わりかけは小さいナプキンが定番なのですが、もしかして、この組み合わせって人によってたくさんあるのでは!と気づきました。
――タンポンも愛用されているんですね。
ドイツの子はみんなタンポンだったんですよ。タンポンと言っても、日本のような挿入しやすくするためのプラスチック部分(アプリケーター)がなくて、脱脂綿にひもがついているだけのやつです。修学旅行先でナプキン忘れちゃって、友達にタンポン借りたんですけど、入れ方わからなかったので適当につっこんで。それから、海で遊んでいたら、私のつけたはずのタンポンがプカプカ浮いている……なんて悲劇もありました。そのあとちゃんとタンポンは救出しましたが(笑)。
――最近は月経カップもでてきましたよね。
「月経カップとナプキンを併用しています」という声も聞きます。自分にあった生理用品を選べるようになったことも革命的だなと思います。
話したくない人は、無理に話さなくていいですけど、こういったことも気軽に話せるようになったら色んな選択肢を知る機会になって良いなって思います。
――haru.さんは生理前のイライラ、頭痛、むくみ、不安などPMS(月経前症候群)の症状はありますか?
昔は気分のアップダウンが激しかったんですけど、5年前からピルを飲むようになって改善されました。ピルは1日1回、決まった時間に飲むことが避妊効果を高めるために必要なのですが、私の友達は21時になると「haru.ピルタイムだよ!!」って教えてくれます(笑)。
――「ピルを飲んでいる」というと「避妊しなくていいんだ」と勘違いする男性も少なくないので、ピルを飲んでいることは積極的に言わない方が良いかも、という意見もあります。
私のまわりでは、そういう風に考える男性が思い浮かばないのですが、「ピルを飲んでいる」と言うときは、避妊のためだけではなく、自分の体のために飲んでいることや、性感染症予防にはコンドームが必要なこと……などちゃんと伝えていくことも大事なのかもしれません。もちろん、そのことを「毎回言うのはしんどい」という子は、「ピルを飲んでいる」ということを無理に言う必要はないと思います。それぞれが自分の環境にあわせて、自分にとってリスクの少ないかたちで使っていけたらいいと思います。
大学時代よりインディペンデントマガジン「HIGH(er) magazine」の編集長をつとめ、同世代の目線から、カルチャー・政治など様々なテーマを発信。東京藝術大学を昨年3月卒業し、Social Sculpture Studio、HUG,inc. を設立。アーティストのマネジメントとコンテンツプロデュースを手がける。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。