三年付き合った彼氏に振られた。大学を卒業して一か月経った頃、突然なんの前触れもなく、電話で別れてほしいと告げられた。将来、結婚する約束をしていたし、これからずっと一緒にいるものだと思っていたから、最初はなにを言っているのかわからなかったし、信じたくなかった。電話で最後ということにしたくなかったので、会って話すことにした。実際に会ってみると、これから元カレになる予定の相手は普段となんの様子も変わらなかった。嫌われたわけではないと思った。

「だって、家事苦手でしょ?」

一番知りたかったのは、別れる理由。意を決して聞いてみると、なんとなく予想していた返事があった。「結婚後の生活が見えてこなかった。だって、家事苦手でしょ?」。家事という単語にわたしは敏感だ。彼の言う通り、わたしは家事が苦手だ。でも、彼はそのことをわかっていてわたしのことを好きでいてくれて付き合ってくれていると思っていたからショックだった。結局、男性は家事ができる女の子が好きなんだ。実はこの理由で彼氏と別れることは初めてではなかった。だからすんなり納得することはできたし、この彼とはこれでこれっきり。

家事ができないのはいけないこと?

現在彼氏はいない。不器用で料理は下手だし、整理整頓も苦手だ。相変わらず家事は苦手なまま。でも、わたしはそれでもいいと思っている。苦手で不得意なものをわざわざしようとも思わない。家事をすることでストレスになるくらいならやらない方がいい。そもそも、女性が家事を担当する前提の考えが好きではない。男尊女卑の考え方の表れの一部だと思う。家事を男性がしてもいいではないか。女性が働きに出てもいいではないか。このような考え方がだんだんと受入れられるようになってきていることはわかっているが、まだまだ浸透しきっていないのも現状。そんな社会でわたしはバリバリに働いてキャリアウーマンになるという夢を持っている。相手に合わせて自分を変える必要はない。わたしの考えを理解してくれて、お互いにそうあることを望む相手とお付き合いしていきたい。

家事ができないと堂々と言ってもいい

二回連続で彼氏に家事ができないという理由で振られた直後は、家事ができない自分を責めた。目が腫れるまで泣いた。料理も頑張って作ったりもした。自分なりに家事ができる女性になろうと努力した。でもダメだった。家事は自分には合わない。そう思った瞬間どこか吹っ切れた気がした。無理に家事ができる女性になる必要はないんじゃないか。背伸びして家事ができる女性を演じるより、家事ができないと堂々と言ってもいいんじゃないのか。今は胸を張って家事が苦手であるということを言える。わたしはこれを武器にしていく。