かっこいいパンツスーツとかわいいスカート。どっちを好きでもいい

フェミニストとしてエマ・ワトソンがスピーチをした。
東京都知事が小池百合子になった。
国際女性デーが日本でも活発になった。
今、世界中で女性の地位向上が叫ばれている。
かつての「男性の3歩後ろを歩く女性」も「夫を立てる妻」も「おしとやかな大和撫子」もどこかへ行ってしまった。
先にお伝えしますが、私は決してアンチフェミニストではありません。
女性も着たい服を着て、やりたい仕事に着く時代は大歓迎。
でも同時に、ガツガツ行く女性をスタンダードにしないでください。
今、女性の印象は大きく変化している。
多様性を認める社会になったから、今まで「おとなしくしなさい」って、言われてた人たちが解放されている。
とってもいいと思う。
でも反対に、私は女性らしくいたい。
ガツガツするのは苦手。
前に出るなんてとんでもない。
出来れば後ろから支えられるような人になりたい。
たくさんのレースとリボンに囲まれていたい。
ズボンは足が窮屈で苦手。
かわいい私でありたい。
そう思っていつも生活している。
ザ・女の子。これが私。
この記事を書きたいと思ったきっかけは、就活中にあった。
私はリクルートスーツが嫌いで、スカートがふわっと広がるスーツで学校の面接指導を受けていた。
その担当の女性が、私に言った。
「これからの時代、もっとバリバリ働ける女性が求められるから、パンツスーツを用意した方がいいよ」
全く意味が解りません。
バリバリ働くことと、パンツスーツがどうして繋がるの?
私は性格がキツイから、見た目だけでもふわっとかわいくしていたい。
これからは多様性の時代でしょ?
かわいくバリバリ働きたい。
私はパンツスーツをかわいいとは思えない。
面接指導の方の中で「これからの時代で活躍する女性」のイメージがあったと思う。
でもそれは、今までを基にして作られた女性像で、求めていることはずっと変わっていない。
「おとなしい女性が求められています。おとなしくなりましょう」
このイメージに、私たちは閉じ込められていたのに、次の新しい女性像が作られてしまった。
「バリバリ働く女性が求められています。活発になりましょう」
求められる女性になっていたら、いつまでたっても私たちは同じことを繰り返してしまう。
入った部屋が変わっただけで、結局は自由になれていない。
これからの女性は「社会に求められている女性」になるんじゃない。
「自分がなりたい女性」になるんだ。
それは「バリバリ働く女性」でもいい。
「スポーツに明け暮れる女性」
「料理が好きな女性」
「パソコンが得意な女性」
「読書が好きな女性」
「理科が得意な女性」
「かっこいい女性」
「かわいい女性」
どれにも私たちには、なる権利がある。
そして、これからは「こうありなさい」と言われることはなくなるはずだ。
あなたのままでいい。私のままでいい。
私がなりたい私を必要としてくれる社会がもう目の前には来ている。
その新しい時代を、今までと反対の時代と捉えると根本的には何も変わらなくなる。
新しい時代は、自分たちがつくる時代。
期待される姿になるんじゃなく、私の姿に期待してもらう時代。
自分の姿を作るのはすごく大変だから、求められる姿になるのが簡単かもしれない。
それでも、私はかわいい私になりたい。
お料理が好きで、科学が得意で、本が好きで、木登りも出来て、裁縫も編み物も得意で、でも掃除はちょっと苦手で、ぬいぐるみがたくさんいるお部屋で、おいしいお菓子を食べながら、大きなリボンとレースとかわいいワンピースを身に着けて、パソコンに向かってライティングする。
そんな人に私はなりたい。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
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