幼稚園から遊びも学びもともにしてきた親友は、先日28歳になってすぐ、花嫁となって地元を去っていった。
男遊びもそこそこに、学生時代から長く付き合った同級生とゴールインをした。

婚姻届の証人であったり、結婚式の友人代表スピーチであったりを彼女から求められた私。責任重大ではあったものの、彼女の前ではふざけてばかりいたから「なんやかんや信用してくれていたのか!」と驚きとともに喜びも湧き上がった。また、正式に「親友だよ」と言ってもらえているような気もして、しばらくの間は優越感に浸るほどだった。

しかし、その前後は私なりにかなりツライ時間だった。
「その前後」とは、婚姻届に証人としてペンを走らせる前後、結婚式でマイクを持つまでの時間やその後の日々を指す。思いのほか、ナーバスになったのだ。

結婚したいのか、子供が欲しいのか、本当にわからない

なぜなのか。

いつでも気軽に会えていた地元の親友と、離れ離れになる寂しさはもちろんあったが、きっとそれだけではない。
私自身が、自分の未来に自信を持てていないからだ。これに尽きる。

過去から現在まで、思い返してみれば「結婚願望がない男性」とのお付き合いばかりが目立つ私の恋愛遍歴。また、当事者である私も「結婚願望があるのか」「子どもは欲しいのか」など、見当がつかない。周りに「なぜ分からないの?普通(結婚)したくない?普通(子ども)欲しくない?」と言われると、では私は普通ではないのだ、と思う。結婚に憧れがないわけではない。子ども嫌いなわけでもない、むしろ好きだ。それでも今は、本当に分からない。

まだ分からないならば、いつか分かるそのときまで、そっと置いておける問題だったらいいのに。
結婚したいと思ったときに、出産したいと思ったときに、そのとき考えて、間に合えばいいのに。

「自分の未来」に後悔しないように、今頭を捻らなければ

私の母は流産を経験している。姉は子宮の病を抱え、人知れず泣いた夜を幾度越えたのか。かく言う私も、婦人科系の検診において、再検査を促された経験が二度・三度ほど……。

近年、年齢を重ねてから結婚し、妊娠・出産・子育てなどを経験する女性は多くいる。けれど、私はそれでは間に合わない可能性があるから。ほら、また悩む。「私はどうしたらいいですか?」神にでも占い師にでも聞きたいものだ。できれば、願望のない彼にも、ね。

分からなくとも、少しでも「自分の未来」に後悔をしないように、今、頭を捻らなければならない。学生時代のように、次は中学校・その次は高校・そして大学……と、ちょっとした未来予測のつく生活は、もう私の人生にはないから。

自分の人生を歩めるのは、選ばれし「自分」だけ

ナイス、私の親友。

彼女の「結婚」を通して、私も今までとこれからの暮らしに目を向けることができたのかもしれない。今後気持ちに波があったとしても、投げ出しはしないよ、全部自分のことだから。自分の人生を歩めるのは、選ばれし「自分」だけだから。

生まれ持ったマインド・育った家庭環境・社会での立ち位置・本当にあったお肌の曲がり角。そして、恋人との関係性……さまざまなシガラミがあるなかで、自分らしい暮らしを自分の力で手に入れることは、カッコイイに決まっている。

だから「自分の未来に自信が持てない」と、くよくよするだけの私はもう卒業!2ヶ月に1回のペースで結婚式の招待状が届こうと、友人に子どもが生まれようと、二人目ができようと、もしも身内や近隣の人に何か言われようと。そういった周囲のヒト・モノ・コトへの動揺はほどほどに。私は今日も働く、そして笑う。社会はそれを、皮肉なしに応援してくれよ。

結婚してもしなくても離婚しても、子どもがいてもいなくても。私たちが悩んで、悩んで、悩み抜くなかで掴んだ暮らしは、どれもキレイなはずだ。

ペンネーム:こみぃ

エッセイど素人ですが、ずっと書きたいと思っていました。
Twitter:@office_531

10月11日は国際ガールズ・デー

「女の子らしく」「女の子なんだから」……小さな頃から女性が受けてきたさまざまな社会的制約。ジェンダーに関わらず、生きやすい社会を実現していこうと、「かがみよかがみ」では、10月11日の国際ガールズ・デーにあわせ、「#5年後の女の子たちへ」をテーマとしたエッセイを募集しました。