私は今、なんとかご縁があり、芸能界の片隅に存在しています。諦めなくってよかったぁ!!
夢を抱き始めてから、行動に移すまでが5年。
そこからスタートラインに立てたなと実感するまで、さらに5年かかりました。
欲を言えば、当初のプランとしては10代でスターになっているはずだったんですけど…まあ、人生って理想通りには進まないのでねっ!
『自分のやりたい事』と『他人が求める人材』の合致を求めて
今回、私に書けるエッセイって何だろうと、もう、ぐるぐるぐるぐる悩んだんですが…。私、履歴書とか面接の数、絶対平均より多いだろうなと閃きました!
私はずっと、自分のやりたい事は一人じゃ叶えられない。だから誰かのサポートが欲しい。じゃあ、他人から求められる人に、まずならなきゃ。と思ってきました。
すっごく真面目に10代からずーーーーーーーーーーーっと、もう、頭が噴火しそうなくらい『自分のやりたい事』と『他人が求める人材』の合致を求めて、考えてきたんです。それはもう履歴書の段階から面接まで。100回以上。
当時、私は、業界のここ10年の流れを調べたり、事務所やオーディションごとの特徴をまとめてみたり、自己流ではあるけども、客観的に『求められる人物像』を捉えている自信がありました。そして、既に活躍している人やオーディションに合格している人は、どんな人物なのか。インタビュー記事を読み漁って、参考にして、具体的にも自分が目指すべき人物像を思い描いていました。
そして自分を冷静に、客観的に評価して、その理想像と比べて足りないものを補っていこうとしていました。
でも、そんな風に自分を見た時、私は自分の身体、性格、境遇、全てに対してネガティブにしか捉えることができなくなっていきました。
どんなに自分磨きしても、顔の良さやオーラがない。子役出身の子に負けないくらいの演技力を身に着けなきゃいけないのに、時間も技術もお金も足りていない。周りを納得させられない、スタートラインにすら立てない自分は駄目な人間だ…。
どんどんどんどん自分を追い詰めていくようになっていきました。
時間も努力も魅力も、何もかも足りない。つらい。なんで私はこんな人間なんだろう。でもここで夢を諦めるのも嫌だ…。ああ、でもこうやってうじうじ悩んでいる間にも、時は過ぎていくから、オーディションは受けていかなきゃ。もう応募要項ギリギリの年齢だよ、どうしよう…。
『他人が求める人材』に限界を感じた日
そしてある時、ぽきっと折れてしまったんです。頑張っても頑張ってもその人になれない。求められる人物像に私、追いつかない。
そのツラさからか、何をやっても悲観的にしか物事を捉えられなくて、何しても空回りして。その空回りを自覚しててもどうしたらいいのか、全然分からなかった。
ある時、思い切ってオーディションから離れたんです。
きっかけは、ある投票型の公開オーディションでした。はじめは「夢を追っている素人」として出る公開オーディションには抵抗を抱いていたのですが、受けられるオーディションも年齢的に少なくなってきている状態だったので、「迷っている場合じゃないな」と藁にもすがる思いで応募してみたんです。
するとミラクルが起きて、一般投票でなんと最終審査までいけたんです!
自分としては反省だらけのパフォーマンスだったのですが、沢山の方の応援のおかげで夢に一歩近づくことができました。
他人と比較して自分を嫌いになるのはもうやめよう
そのオーディションを終えて、私は、自分を否定することは、応援してくれた方々の気持ちまで否定することになる。
もっと自分を好きになれるように、自分に胸を張れる人になりたい。
そして今度は皆さんに何か与えられる、恩返しできる人になりたいなと思ったんです。
それから、理想や他人と比較ばかりして悲観的になってしまうオーディションから、一旦離れようと決意しました。
当時の私は名ばかりの大学院生だったのですが、これを機に、自分に与えられている勉強の機会と向き合っていこうと決心しました。
そうして自分の研究と向き合って数か月経った頃、教授から「先入観や既存のルールに捉われず、問題の本質を考えろ」と指導を受けることがありました。その指導はもちろん、私の研究内容についてだったのですが、その時、私はふと、これまで自分がとらわれていた『他人が求める人材』についても、あれって誰が決めたんだろう?と疑問に感じたんです。
就活の「企業が求める人物像」ってなんだろう
就活でもよくセミナーで「企業が求める人物像を把握する」って大事なことだって言われますよね?その判断材料としては、業界の流れや企業説明会、OB/OG訪問、インターンシップとか。それをもとに、自分がいかにその人物像にマッチするかをアピールしていきます。
でもそれって全部「自分」が「勝手に」「そう思い込んでるだけ」って場合もあるよな?って思ったんです。
私が追い求めていた、理想としていた人は、虚像なのかもしれない。そう思ったら、なんか一気に肩が軽くなったんです。
そうだよ。そもそもその『他人が求める人材』って聖人君子か!!仙人か!!天才か!!ってくらい完璧な人じゃん!そんな人いたら、もう輪廻転生の最後だよ。前世、徳を積みまくった人だよ。そんな人材、そりゃ皆欲しいよ!当たり前じゃん!!たった20数年しか生きてない私には到底なりえない人じゃん!!
もっと気楽に抽象的な目標を立てよう!
『他人の求める人材』の呪縛に気づいてから、私は、もっと気楽に、抽象的な目標を立てよう!と考え直しました。そんな今の私の目標は「人を、自分を楽しませる!」という簡単なものです(笑)。
すると、『自分のやりたい事』だけが明確になって、今まで『他人が求める人材』に合ってないという理由で敬遠していたことにもチャレンジできるようになってきたんです。
大学院の勉強も「今しかできないことだからやりたい!」とより前向きになったり、昔から興味があったボランティア活動にも参加して色んな人や生活に出会えたり、他にも海外研修にも行ってみて、漫画の話題で海外の学生と盛り上がる思い出ができたり…。
もう、すっごくすっごく楽しくて!
歌とかダンスとかお芝居とか、芸能関係のレッスンも、夢のため!!って気を張るんじゃなくて、上手くなれたらいいな~くらいに取り組んだら、新しい発見があってのびのび取り組めている自分に気づきました。
今の自分、昔の自分よりすごく大好きです。
他人の目や、自分の理想像に縛られている時より、やりたい事を思いっきりやっている自分が輝いているな、って自信を持って言えます。
もし、結果が伴わなくても、人から認められなくても、別にもういいです。
自分がやりたい事・好きな事をしているから、一片の悔いなし!
もし、自分自身の目標に縛られている人がいたら、このエッセイがその紐を緩められる一助になれたらいいなと思います。
ペンネーム:ユボーンエz
周りの環境に流されてみたら大学院生になっていた、芸能界の片隅にいるオタク。好きな色は黄色と青。好きな食べ物は甲殻類。自分の人生楽しんでみせるぞ~!