中学校の入学式、高校の入学式、仕事での昇進といったように、おおまかに分けて節目節目で、気持ちを入れ替える為に髪を切ってきた。伸びたロングからボブかセミロングって言うのか。言い方は分からないが肩につくかつかないくらいの長さに。

髪を切るのはもう、ワクワクやキラキラな想いだけではないのだ

中学校の入学式では初めての制服や部活動に憧れを抱き、ワクワクそしてキラキラという気持ちの中、髪を切った。高校の入学式でも、やはり初めての自転車通学やアルバイト、ドラマでよく見た恋愛などに想いをはせて髪を切った。

仕事の昇進では、ワクワクやキラキラは一切無かった。仕事がブラック中のブラックすぎた。その中での昇進。よく言えば気持ちを切り替え頑張る為。髪型を変えると不思議と気持ちがスッキリし、力が湧いてくる気がしているからだ。
ただありのままの理由を言えば、お風呂での髪を洗う時間、乾かす時間を削る為だった。そのくらいブラックで、睡眠時間を得る為だった。これに関しては良い思い出では無い。

髪を切る時はいつもワクワク、キラキラした想いだったのに、現実的な理由で髪を切り、虚しいような、寂しいような、これが社会人で大人になったって事なのかなぁ。と思いながら切り終えたのは覚えている。髪を切るのはもう、ワクワクやキラキラな想いだけでは無いのだと、その時初めて実感した。

不思議なほど大好きだった彼と、別れることを決めた

最近、キラキラやワクワク以外の気持ちで髪を切ったことが、もう一つある。
これまた、ロングからお決まりの長さに。理由は良くある好きな人とのお別れだ。私は良く耳にする“失恋したから髪を切った”ということが良く分からなかった。私も女な為、髪を切るたびに周りから良く「失恋か?」と言われてきたものだ。私自身、身に覚えがないので言われても何も感じずに生きてきた。むしろ、何言ってるん?失恋したぐらいで自分の好きな髪型なんか変える訳ないやん。アホちゃん。笑
くらいに思って生きてきた。

私とその人は付き合って約2年半。
私は彼が好きで好きで今までお付き合いしてきた中で1番好きだった。彼の顔も服装もタイプでは無いのに、自分でもどこが好きか分からない、不思議なほど彼の事が大好きだった。もちろん彼も私をきちんと好きでいてくれていた。

なのに、彼の突然の裏切りからお別れする事になった。本当は別れたくなかったけど許す事が出来ず別れ話に。
実際、2年半の付き合いの中で、何度か別れ話をしてきており、その度に私は泣いていた。結果別れない道を選んできた。でも今回は真剣だ。いつも結局は好きということと彼との話し合いの中で、別れない道を歩んできたが、今回は本当に別れる。そう決めた。

髪を切ったのは、きちんとお別れしたいから

彼は短めの髪が好きだった。私は知っていたが、私自身ロングが好きなので伸ばしてきた。だが別れ話の前日、思い切って美容院に行って髪を切った。いつも切る長さに。彼の好きな短めに。理由は失恋したからじゃない。悲しいからじゃない、そんなに私は弱くない。見返す為。信じてきたのに裏切られてツライ。なのにまだ好き。けどきちんとお別れしたいから、髪を切ったら気持ちの切り替えが出来る、それに少し強くなれる気がした。あえて彼の好きな髪型にしたのは彼に後悔をさせる為。

お陰できちんとお別れすることが出来、彼からは「その髪型似合ってる。最初に会った頃を思い出す」と。嬉しい気持ちと最後だと思うと悲しい気持ちで複雑だった。「今回は悲しそうじゃなさそう」とも言われた。そう、初めて泣かずに別れ話が出来た。勿論、本当は悲しくてツラくて今にも泣きそうだったが…。
少し強くなれた気がした。

次はいつ変えるかなぁ…
これが私の髪型を変えたわけ。