ベンチャー企業に勤めて2年目になった私は、とにかく中途半端だ。新人の時は、とにかく目の前にある仕事をがむしゃらにすればよかった。やらなければいけないことが明確な分、何も考えずにやるだけで評価された。仕事にやりがいもあったし、楽しかった。

文句をつけがちになった入社2年目

ところが2年目に入って、徐々に仕事をするのが苦しくなってきた。与えられた仕事は慣れもあり、早く終わる。その分、何か新しいことをしなくてはいけないが、何をするのかは自分で考えなければならない。これをします、と言ったところで、それが正解かどうかなんて誰もわからないから、結果が出るまで評価されない。プロセスを評価されていた新人時代とは大違いだ。

前より、褒められる回数が減った。人から褒められることが大好きな私は、どんどん擦れていった。周りが結果を出しても、素直に喜べない。こんなに頑張ってるのに、上司が褒めてくれない。もうやめてやる、そして私がやってた仕事がどれだけ大変か分かればいい。私を大事にしなかった罰だ。

そこからは、何かと文句をつけがちになった。「就活の時はベンチャーって謳ってるけど、実際もう規模小さくないよね。5年前に入社してれば、今頃ばりばり活躍してたのにな」「この歳になると、周りがどんどん結婚しだす。上になるには5年くらいかかるでしょ?仕事が面白くなって来た時に、仕事か結婚か選ばなきゃいけない。女って辛い」「うちの会社って、女が出世しないよね。部長陣男しかいないし。男に生まれてたらなあ」「大手企業に入ってれば、給与の心配もないし、社内結婚すれば一生安泰じゃん。大手に入ればよかった」「もっと可愛ければ、その可愛さを武器にお金持ちと結婚して子ども産んで、そうしたら苦労なんてなかったのかな」

男だったら、大手に入ってたら、可愛かったら。
そんな言い訳ばかり考えては、ただただ転職したい、と思いながら働いていた。

ずっともやもやを抱えたまま、年末年始休暇に入った。地元に帰ってると、なぜ私は東京で働いてるんだろう、そんな気持ちになった。こんなに頑張って何になるんだろう。帰ってこようかな。

実家の就活ノートで思い出した「私」

そう思いを抱えたまま、実家の掃除をしている時、ふと就活ノートを見つけた。そこには、自己分析や企業説明会のメモがあった。「自分の力が試せる場所にいく」。その文字を見た時、なぜ私が今の会社に入ったのか、今度どうやっていきたいのかを思い出した。「私は女だから。結婚もしたいし、子どもも産みたい。でも、仕事もしたい。大手だと、まだ年功序列が残っているところもあるし、最初から裁量を与えられるとは限らないから、私はベンチャーに行く。女性キャリアのロールモデルを作る」。ふと、キラキラした目をして話す自分の姿が浮かんで来た。

人と自分は違う。隣の芝は青い。自分にないものは羨ましい。
そんなのは当たり前だ。でも、他の人になくて私だけがもってるものも、きっといっぱいある。今まで自分がしてきた経験を、全部してきた人は自分しかいない。私にしかできないことがある。そう考えると、コンプレックスだと思ったものが全部愛しく思えてきた。2年前の私に負けるな、私。

今年の抱負は、「"◯◯だから、できない"を言わない。
私は私、自分の軸をしっかり持って生きていく」。
私になにか問題があったときは、それはきっと誰かや何かのせいではなくて、私自身の問題なんだ。

他の人がちょっぴり羨ましくなることもあるかもしれないけど、私が持ってるものたちを大事にして、足りないものは少しずつ手に入れて、いきていこう。