中1の夏休み一人の友達に無視されるようになった。無視されるという行為は初めての出来事だった。

4人でワイワイ話しながらの登校は楽しいものだった

私は中学の頃女子バスケットボール部に入っていた。私達が入る前は女子バスケットボール部は同好会という形で部ではなく、部員も一つ上の代の先輩だけだった。私達の代が入ったことにより部となった。
部になった嬉しさもあり、先輩達や私たちも気合が入った。外部からコーチに来てもらい、練習は毎日のようにありハードだったが、試合でもいい結果が残せていた。しかし練習がハードな上休みもないので、用事などで練習を休んだ人に嫌味をいう人が増えた。そしてだんだん休めない雰囲気が出てきていた。

当時の私は人見知りせず誰とでもフレンドリーに話せる方だった。中学校までは歩いて40分くらいかかった。しかし同じ部活で家が近い友達が4人いたので、最初は中学校から1番家が遠いマンションに住んでいる私ともう1人の友達と2人で歩き、行く途中で2人と合流し、4人でワイワイ話しながらの登校は楽しいものだった。

まるで自分がそこにいないものとされているみたいだった

そんな中、中学生になって初めての夏休みが始まった。
夏休みに入り、練習もよりハードになる中、私は毎年夏休み恒例の祖父母の所へ泊まりに行くために3日休みをもらった。

3日後、いつも通り1人目の友達と話しながら歩いて行き、それから2人目の友達と合流した。いつものように話しかけるといつもより素っ気ない感じがした。最初は気のせいと思ったが、もう一回話しかけると無視された。明らかにおかしかった。それに私に一切話しかけてこなくなった。まるで自分がそこにいないものとされているみたいだった。怖かった。それと同時に、休んだからだなとも思った。それから3人目の友達が合流しいつものように挨拶をしあった。その子は普通に話しかけてくれた。でも私が答えると2人目の友達はリアクションがなかった。無視されているなと確信した。

悔しくて、私はそれから1人でいる事を決意した

その日以降、私はその子に無視され続けた。その子の隣にいるのに話しかけるのは自分以外。話に入ってもその子は私に反応してくれなかった。目も見てくれなかった。私は怖くて話せなくなった。
そうするとその子以外の2人も、その子と話さなくなった私をみて異変に気づいたのか、2人も私を無視するようになった。3人以外の部員からも少し避けられるようになった。私はその時、みんな自分と話す事が嫌なんだなと思った。でも1人になるのが怖く、話さずともなんとなくみんなの側にいた。

それから2ヶ月くらい経ったある時、無視されていた子からメールが来た。内容は、「最近喋らないけど無視されてると思ってるなら自意識過剰やで笑」という内容だった。私は悔しかった。明らかに態度が変わった本人から、少し馬鹿にされたような文章だった。本当に悔しくて、私はそれから1人でいる事を決意した。結局その無視は中学三年生の部活引退まで続いた。

狭く深くの関係ができ、親友と呼べる友人が3人もできた

その夏休み以降、私は人と話す事が怖くなってしまった。話しかけて無視されたら怖いという思いがずっと頭にあった。以前のように誰とでもフレンドリーに話さなくなった。それでもクラスの友達は変わらず話しかけてくれた。それが泣きそうなほど嬉しかった。その時、私はこの友達をずっと大切にしようと思った。そして親友と呼べる人ができた。

20歳になった今だから言える事だが、そのような経験をして良かった事がある。それは、本当の友達を見つける事ができたからだ。夏休み以前は、誰とでも話せる分広く浅くの関係ばかりだった。しかしそれ以降、狭く深くの関係ができ、親友と呼べる友人が3人もできた。今でもずっと仲がいい。これは私にとって本当に大きな財産である。

しかしまだ人と話す事が怖いという思いはある。話しかけるのに躊躇い話せなかったり、話せたとしても思わず声が小さくなってしまう。私はこれがとても悔しい。あの出来事でこうなってしまったのかと思う事もある。
それでもその悔しさをバネにきちんと話しかけられた事だってある。あの辛かった日々を忘れず、自分の大きなエネルギーにして克服しようと頑張っている真っ最中だ。克服できた時は自分を沢山褒めてあげたい。