小さい頃から、妹の私は、姉より損をすることが多いように感じた。

例えばアルバムを見ると、姉は一冊分は余裕である。対してわたしは数枚しか載っていない。それを目の当たりにしたときから、気に食わなかった。姉の方が大事にされていると勘違いしたこともある。

まあ、これは百歩譲って良いとしよう。

私には、どうしても腑に落ちないことがある。それはお年玉が少ないこと!!!

何歳になったら何円とかではなく、お姉ちゃんは5,000円で、妹ちゃんは4,000円といったように同じ学年になっても少ない額をもらうことが多い。そんなこんなで、二十歳になってから姉と通帳を見比べると、一桁も違っていた。

お金では納得できないことだらけ。私立の姉、公立しか行けなかった妹

お金の面では、納得できないことが多い。姉は気を遣わずに私立高校に行き、大学に至っては私大の薬学部に行ったものだから、私は公立に行くしかなかった。姉はこのことを知らない。

そこまで頭がいい方では無かったが、「しほは、公立の方が合ってると思う」と、母から言われたこともある。大体「~の方がいいと思う」という時の母は、お願いをしているのだ。

「最終判断は任せるけれど」と言われるが、それを反抗すらできない子どもだった。わたしは公立高校に行った。(その後、不登校になりましたが、ここでは割愛します)

外面はいいけれど、理不尽で、姉らしくない姉への愚痴は尽きない

"普通"姉の方が服をたくさん持っていたり、しっかりしていたりするイメージがある。

我が家の場合は逆だ。

いつもジーパンとTシャツで過ごしているくせに、友達と遊ぶときだけ、勝手に借りて着ていきやがる。「勝手に着ていくのやめてよ~」と、やんわり伝えてもほとんど無視される。

それから「勉強教えて」とお願いしても「嫌だ」と断られる。しぶしぶ見てくれたときでさえ、「違う、違う、違う、やり直し!」と一切ほめてくれることもなく、問題を解いている間に居なくなっていたのである……。

昔、こんなこともあった。

中学生のとき、友達に「上級生がしほちゃんのこと呼んでるよ」と言われて行くと、姉だった。しかも、「体操服」とだけ威圧的につぶやいて、手を差し出している。圧力に負け、渡すと「ありがとう」もなく、走り去っていった。

まだまだあるよ。姉に対しての愚痴ならいくらでも言えると思う……!(笑)

自分の話は聞かせるくせに、私の話は全く聞かない。姉が愚痴を言いたいときは、何をしてようとも遮って弾丸のように言葉を発してくるから避けようがない。わたしが言おうとすると「今忙しいから」と答えればいい方だ。ほとんどの場合、聞こえているのに、無視される。

姉の言い分は「家族には気を遣わなくていいと思っているから!」だ。そのことば通り、姉はものすごく外面がいい。近所の人に「道を教えてもらえませんか?」と聞かれれば、笑顔で案内してしまう。その愚痴をわたしに言うぐらいなら、説明だけして終わればいいのに。

姉を反面教師に、違うところで対抗した妹。ほしいものは手に入れた

そんな姉に、わたしは違うところで対抗していた。好きな物を買ってもらうこと、文系科目を得意にすることだ。姉は(そこだけは)長女らしく、頼ることやお願いすることが苦手で、そこらへんの要領が悪い。だから、私はよく見て反面教師にしてやろうと画策したのだ。

今回は、好きな物を買ってもらう話をする。

母には洋服、父にはゲームを頼めば上機嫌で買ってくれることに気が付いた。

母の場合は買い物が好きなので、「これかわいいなぁ、ほしいなぁ」と言えば買ってくれることが多い。父の場合は、何度も言うことが最高の秘訣である。食事や気の緩んでいるときに「このゲーム、どうしてもほしいんよねぇ」と言うと、ゲーム好きの父は10回目ぐらいで、いつの間にかアマゾンで注文してしまっている。何事もタイミングとやり方が重要である。

こんな風にして、ほしいものを必ず手に入れた。

当然、姉は怒る。「なんで私には買ってくれないの!」タイミングが悪い上に「これ見て」と指を差すだけだ。普通にスルーされている。

理不尽な姉だけれど、こんな形ではあるが、しっかりと損をしているよね。私はいま、大学も辞めて周りから見るとよく分からない文章ばかり書いている。それを続けられるのは、なんだかんだ姉のおかげだと思っている。姉がしっかりとした職業に就いているため、両親も「自由にすれば」と、言ってくれているから。

だから、わがままな妹として、これからも自由に生きさせてもらうよ。ありがとう。