素直に「おめでとう」って言いたいのに
なんでこんなに心がざわざわするんだろう。

部活仲間の結婚は、心の底からうれしかった

ひたすら部活に捧げた高校生活だった。

文化系の運動部なんて言われる吹奏楽部。

中学生の頃も吹奏楽部だったわたしは、
高校生になったら違う部活に入ると決めていたにも関わらず、新入生に向けた演奏を聴いて、やっぱり吹奏楽部に入ろうと決意した。

休みは月に1、2回あればいい方で、朝の練習から1日が始まって、毎日電車の時間に合わせて慌てて片付けをして。
各季節1着ずつしか私服がなくて、友達と遊びに出かけるときはいつも同じ服ばかり着ていたな、なんて。

そんな生活をしていたからか、家族と変わらないくらい同じ時間を過ごした部活仲間とは大の仲良しになった。
特に同じパートの3人とは、泣いたり笑ったり喧嘩をしたり。

大学生になっても、社会人になっても、その関係は続いた。
お互い住む場所が離れても、何度だって会いに行ったし、旅行にもたくさん行った。

ある日、そのうちの1人が結婚することになった。
お相手は他の3人ももちろん会ったことがあるとっても素敵な人で、心の底からうれしかった。
結婚式を随分前から心待ちにして、当日はわたしたちの座っていたテーブルが、誰よりもはしゃいで泣いた自信があるくらい。

突然自分だけがマイノリティとなった衝撃

そして今日、わたし以外の2人からも結婚するという報告を続けて受けた。
突然自分だけがマイノリティとなった衝撃と、無性に寂しくて揺り動かされる何かとで
心がいっぱいいっぱいになった。

普段は「わたし、結婚願望ないんだよね」なんて言って笑って、自分もそれが本心だと思っていたけれど、いざこんな状況に置かれるとなんとなく焦ってしまう。
結婚がゴール、結婚すれば幸せという社会の風潮に抗いたいだけなのかなと思ったりもする。

いつかこんな日が来るとは思っていたけれど、まさかこんなに早くとはという驚きもある。
25歳、女はクリスマスケーキなんて古臭い言葉も頭をよぎる。

10年後、20年後はどうなるんだろう

わたし、これからどうなるんだろう。

彼氏はいるけど、結婚は想像できないな。
一人暮らし歴もそこそこだし、そもそもわたしって人と暮らせるようなタイプなのかな。

晩になると1人ベッドで天井を眺めて、溢れ出そうになる気持ちをなんとか押さえつけながら眠りにつく。

今は若くて仕事もバリバリして、友人たちとも遊べるけれど、これが10年後、20年後はどうなるんだろう。
急に子どもが欲しいって思ったらどうしたらいいんだろう。

考え始めると頭をぐるぐる回って、黒くて冷たいもので満たされていく。

未来のことは未来のわたしに任せてみよう

でも、まだまだ色々迷ったっていいのかもな。
こうやって迷ってるわたしも嫌いじゃないな。

このエッセイが掲載される頃には心の底から「おめでとう」と言えていたらいいな。
何かしら自分の中で結論が出せていたらいいな。

未来のことは未来のわたしに任せてみよう。

だけど、今日だけはちょっといいチョコレートでも買って、思いきり頬張りたい気分。