2年付き合っている彼氏が居る。付き合い始めた動機は、4年連絡を取っていなかった元彼と何故かその日に連絡をとっていた日のことだった。
一目惚れをした。歴代の彼氏たちの中で1番ハマった。
その日、私は後輩と飲み屋にいた。元彼も同じ飲み屋街で飲んでいて、これからどうしようかという時だったらしく、これから一緒に飲もうよ、こっちも後輩連れてくから。と言われ、その提案に乗った。
待ち合わせ場所につき、そのまま飲み屋に行った。元彼の後輩の顔を見ずに。正直、まああいつの後輩だしな、と冷めた感覚があった。飲み屋について座り、元彼の後輩の顔をそこでちゃんと見た。一目惚れをした。歴代の彼氏たちの中で1番ハマった。大袈裟だと思われるかもしれないが、本当にそうだった。
これまで一目惚れの経験が無かった私は自分の感情に戸惑った。なんだこれ。この人と話したい、この人と付き合いたい、独占したい。こんな感情が自分の中にあるのかと。よく漫画で一目惚れ!!なんつー絵を見て、んな訳ねーだろ、そいつの中身も知らないのに。読みすすめていく内に、ほら見ろクソ男だったろ、いい所見せられてどんどん好きになってって…って、思い出せ、根はクソだったんだぞ。って思って読んでた。でも現実にもあるんだ。私は漫画のヒロインか。おいおいおい。大丈夫か25歳。でも、同様に不安だった。クソ男かもと。ちゃんと話してみた。何だコイツめっちゃ面白いやん、めっちゃ女について紳士やん、めっちゃかわいいやん。だめだこりゃ。どうにかして一緒に居ようと思った。今、少女漫画を思い出してみた。根はクソじゃない、気がする。(笑)
このまま彼と離れるのは嫌だと思った
その時、私は新築のアパートに住んでいた。自分の後輩は帰り、3人になった。彼は人のアパートを見ることが今も好きである。その時も私が住んでいる新築のアパートを見てみたいと言って3人で私の家に帰った。明け方だったのでそのまま寝ることになり、彼らはこたつで寝て、私は自分のベッドで寝た。
私は昼過ぎに起きて、既に元彼は起きていたので話していた。彼は爆睡していたので起こさずにいた。夜になり、彼はようやく起きたので家まで送った。飲み屋で話しているときに彼はドライブが好きだと話していたので、シャワーを浴びたらまた会ってドライブに行きたいと強請ってみたら、彼は快く承諾してくれたので、そうすることになった。
ドライブ中、彼は付き合うなら3ヶ月くらい相手のことを知ってからがいいと話していた。その後、家に送ってもらったが、私はこのまま離れるのは嫌だと思った。このまま何も無く帰ったら、もう関わりがないかもしれないと怖くなったから。まだ一緒にいたいと言ったら、承諾してくれて、家に入ってくれた。彼は、仕事の関係で2週間休みだった。その日からずーっと一緒に居てくれた。かっこいい、優しい、楽しい。真実は分からないが、女の人の家にこんな長く泊まるのは初めてだといった。それさえすごく嬉しかった。単純である。
彼のために前向きに考えられるようになれた
彼の休みが終わる日、これからも一緒に居ようという事になって、出会って2週間で付き合うことになった。私のベッドの枕元にあった眠剤の薬の殻をみて彼はなにも言わなかった。だが、付き合っていくのならいつまでも病気のことを隠す訳にはいかない思い、ポツポツと話し始めた私の鬱という病気を、ただ「そうなんだね。今は珍しくない病気だもんね」と受け入れてくれた。そこから、私の話をたくさん聞いてくれた。病気の浮き沈みで、その時その時で自分が出来るような業務のあるクリニックやデイサービスなど、バカみたいに転職を繰り返す私に、いつも頑張れと言ってくれた。
どうしようもなく病気がしんどくて、薬を大量摂取した私を夜間救急に運んでくれた。それでも別れようと言わなかった。私の自傷行為を本気で怒ってくれた。どうしようもなかった行き場のない気持ちが彼のおかげですごく救われた。普通は引くだろう。こんな女となんて付き合ってらんねーと。それでも彼は2年も離れないで居てくれている。私にとっては命の恩人だ。
今は自傷行為はしていない。彼のために。彼のために仕事も続けたいと前向きに考えられるようになれた。休んでいた仕事に少しずつ行き始めた。ある休みの日、午後まで寝ていた時に初めて時間を無駄にしたと思った。時間を無駄にしたという私が感じた感覚は、彼は常に言語化して言っていた言葉だった。
彼から、「時間に対する価値観が変わったね。仕事をしていたら時間のことを考えられて、休みの日に寝ている時間に対してもったいないと考えられるようになったね。休みだからといって寝てばっかりじゃ、休みの意味がないもんね」と言われた。彼は笑顔だった。嬉しかった。彼の言葉、彼の表情、自分の考え方が変わったこと。全て嬉しかった。もっと彼と居られる時間を作りたい、寝てばかりじゃなく、好きなことをして過ごす有意義な休みの日を過ごしたいと思えた。その言葉だけで、今はまだ難しいけれど自分をもっと大切にして、今はこんな自分でもいいや、と肯定していきたいと思えた。
時に喧嘩をして、くだらないことでふたりで笑って、無言で居ても安心できる彼とこれからも生きていきたい。彼のために。彼のおかげで価値観が変わった自分のために。
彼に依存していることは分かっている。それを彼も分かっている。彼にとったら私の一方的な考えで、とても疲れるし苦しいことだと思う。それを分かっていながら、わがままだけれど、それでも私はずっと一緒にいたいと思える彼に出逢えて良かったと思う。面と向かって伝えるのは恥ずかしいから、このエッセイを通して気持ちが伝わってほしい。押し付けの感謝の気持ちが(笑)。