平和過ぎる大学生活に飽き飽きしてきた頃、ふとイケメンで優しくて趣味の合う理想の恋人が欲しくなった。高校まで自分のことに一生懸命だった私は今まで恋愛に興味がなかった分、恋愛経験は少ない。その上洋画ラブコメ好きな私は妥協した恋愛なんてできない質だ。

女子大だから男性を探すにはアプリで探すのが1番手っ取り早い。そしてようやく見つかった理想(?)の男性は某有名大学在学、アメリカで高校生活を過ごした海外在住経験者で英語が話せるらしい。憧れのラブコメ生活の始まりか…⁈

私は海外文化を知ることが大好きだし、私が少し得意な英語で会話できたらいいなとワクワクした。アプリ内でやりとりし、さっそく会うことになった。

海外出てたら「キャリアウーマンも好き」とか言ってくれるのかと思った

気合い充分で挑んだ甲斐があって結構かっこよかった。
私「英語話せるんだよねー?」
彼「うん。でも話したくない。恥ずかしいから。」
その時は彼の気持ちを受け入れた。もしかしたら現地の子に発音をバカにされてトラウマになったのかもしれない。面白い人だったので英語のことは忘れて何回か会ってみた。

ある日彼にふと「キャリアウーマンってどう思う?」と質問した。私は大学で女性学やジェンダー学を学んでいて、強くかっこいいキャリアウーマンに憧れていた。(学校の洗脳かも?)すると「なんかとっつきにくい。天然でかわいい感じが好き」と言われた。

私はショックだった。海外出てたら「そういう生き方してる人も好きだなぁ」とか言ってくれるのかと思った。だってアメリカって多民族国家じゃないの…?彼は私の趣味に合わせて見た目だけ海外風(?)に寄せていった。(しかし最後まで英語は話さなかった)でも、海外では割り勘が普通だよとか言って奢りは約10回のうち1回限り。取り繕いにしか見えない。

理想を求め過ぎた私も悪いのだろうか…

私はいっきに冷めた。彼が何しようと気持ち悪い。告白されたけど友達でいてほしいと話したら、なんと逆ギレ。プライドが高く、パーフェクトな自分が振られて悔しいらしい。私の理想の男性は世間で評価される様なハイスペック人間じゃないんだ…と気づいた。

ドラマでよく耳にする「振られても君の意見を尊重するよ。振り向いてもらえるまで待ってる。」とか言ってくれたら考え直すのに…。そもそも付き合うにはこの儀式が必須なのでは??(ラブコメの見過ぎかも知れない)
とにかく、彼もそこまで本気じゃなかったのだろう。理想を求め過ぎた私も悪いのだろうか…。

恋愛って難しい!男女間のコミュニケーションは特に。彼は私に何を求めていたのか、逆に私を含む一般的な女性が恋愛に求めていることを彼はわかっていたのか。お互いが求めるものを補填できる関係(世に言うマッチング)はマッチングアプリでは探しにくい、というか私にはマッチしていなかったのかも。恋愛はしようと思ってできるものじゃない。恐らく、なるべくしてなるものなんだ。だって、ラブコメでも恋の始まりは"女性が落としたオレンジを男性が拾って目が合った時…"でしょ?