世界でどれぐらいの女性が、ひとりで、アフターピルをもらいに行ったことがあるだろう。事故的なものではなく、パートナーとの、その場の雰囲気で断れなかった女の子が、少しでも傷つかない世界に。そして、NOと言う勇気を持つ女の子が増えますように。

女の子のたちの心境を見ずに、ただ非難することは簡単だ

パートナーからのお願いを、NOと言うことが出来なかった女の子への風向きは厳しいもの。無理やりじゃないなら、反論の余地があるなら、きっと世間は「なんで断れなかったの?」「空気に流されやすいあなたが悪い」と全力で女の子を叱る。

「肉体的に押さえつけられた訳じゃないなら、逃げれたでしょ?なんでその場に居続けたの?」「みだら、不純」あるいは、軽率な行動と非難。

世界が寄り添うことをしなくても、私は、女の子の苦しい気持ちを汲み取りたい。NOと言うことが出来なった理由は、十人十色。ひとりひとり「YES」と言ってしまった理由は違うけれど「YESと言うしかなかった」状況とパートナーとの関係性は似たものがある。

頭が真っ白になったのか、思考停止してしまったのか、その場の女の子のたちの心境を見ずに事後で全てを判断し、助言もなく、ただ非難することは簡単だ。

性の価値観についてパートナーと話す時間を持ってほしい

頭ではダメだとわかっていても、空気にのまれて、なぜか「いいよ」と口に出してしまった経験が私にはある。その後の後悔や恐怖、痛いほど、気持ちがわかる。

次の日、慌てて、ひとりでアフターピルをもらいに行ったこと。そして、嫌だったのに、つらかったのに、またパートナーと会ってしまう。

同じような経験をした女の子はいるはず。そして、今ちょうど、その状況にいる女の子も。だから、私は伝えたい。

ものすごく嫌な空気になるかもしれないけれど、性の価値観について真面目にパートナーと話す時間を持ってほしい。そんなこと出来ないと思うのなら、きっとそれまでの関係。

私は、向き合うことはせず、別れた。この人とは話にならないと判断したからだ。

パートナーがいても、いなくても、シンプルに、妊娠を望んでいるか、望んでいないか。ひとりで考えてみよう。望んでいないのであれば、大切な身体なのだから、一度しっかり避妊について考えること。

ちなみに、私は望んでない。ピルは身体に合わないから、ポーチに避妊具を入れている。子宮内避妊具は、関係が長く続きそうなパートナーができれば考える予定。

たまに、協力的でないパートナーとは別れたほうがいいという話を聞くけれど、ケースバイケースだ思う。

なぜなら、女の子が先行して避妊に積極的になればいいのだから。ただ、それすら、嫌がるパートナーの場合は、あまりおすすめできない。協力的になろうと、歩み寄ることない人は、その程度の人だ。

避妊具は、自分の意思表示アイテム

あの時はNOと言えなかった私だけど、今では立派にNOと言えるようになった。「無いって言えば、そのままOKもらえる」勘違いボーイに遭遇しても、避妊具をスッと渡して解決。たまに引かれることはあるけれど、日本の古い価値観を引きずっている人だと思えばいい。

男の子が用意するべき、女の子が薬局で買うのは恥ずかしいなんてことはないし、持ち歩くことが、いやらしいことでもない。自分の意思表示アイテムなのだから。

性に対する向き合い方も人それぞれで、少し戸惑うこともあれば、全く合わないこともあるはず。問題は、お互いの価値観について話すことをしないこと、そして違った時に歩み寄ろうとしないこと。

NOと言う勇気だけでなく、性について「ここはこうしてほしい」「これはしてほしくない」も言えるようになれば、きっと女の子から女性に成長する。たくさんの女性が幸せな人生を歩めるように、願って。