昔から何となく、男よりも女に対して器用さ、丁寧さを求められるのが納得できなかった。

例えば、家事炊事掃除全般。手書きの文字の綺麗さ。美術や図工の時間の絵の具の色塗り。歌や楽器の上手さ。言葉遣い。その他諸々。
なんでこうも男が少し何かできると「男の子なのに料理(字、絵、音楽、その他色々)上手くて凄いね」などと褒められるのに、女は少しでも出来なかったら「女の癖に料理出来ないんだ」「女なのに字、下手だな」「気が遣えない女だな」と罵られるのか。分からない。納得できないから自分で説明できず、飲み込んでしまった数々の言葉をこの場で吐き出して成仏させようと思う。

我が家の家訓は「女たるもの、率先して家事をすべし」

私の父は典型的な九州男児。「女子力が無い」「女なのにがさつだ」というのが父の口癖だ。物心着いた時から我が家では「女たるもの、率先して家事をすべし」というまさに男尊女卑な家訓があり、うちの家族構成は父、母、私、妹の4人で、男は父一人なので実質父しか得しない家訓である。この家訓のせいで何度私はやきもきしてきたことか。父は自分で炊事しない、自分の服も用意しない、布団も自分で敷かない。すべて「女がやるべき仕事であり、男は手を出さない」という考えである。

母、私、妹の3人で、それぞれ忙しい合間を縫って、洗濯、掃除、炊事の支度をする。「洗濯機回したから干して」「雨降ってきたから取り込んだ。畳むのお願い」「掃除機かけた」「炊飯器スイッチ入れた」とメールやLINEを駆使して連携プレーで何とかやり遂げる。一番に帰宅したら大急ぎで終わってない家事を速攻で終わらせる。そこに、父が帰宅し真っ先にトイレへ駆け込み、一番風呂に入る。父は自分で風呂に入る前に下着やパジャマを脱衣所に持っていかない。それを用意するのも私たち「女」の役目だ。用意していないと父は真っ裸でリビングへ、時に謎の舞を舞いながら、時に怒鳴りながら登場する。大変誠に汚い聞き苦しい話で申し訳ない。

私が見ていた服を畳み始めた元彼

学生時代に付き合っていた元彼。二人でショッピングモールに行った際、アパレルショップで私は1着の服を見ていた。少し手に取り広げてみた後、軽く2つに畳んで棚に戻す。後で店員が畳み直すだろうし、下手に折り癖をつけてはいけないと思ったからだ。

その時、彼が「ちょっと、ちょっと」と私を引き留め、私が見ていた服を彼が畳み始めた。「ちゃんとやらなきゃ。女の子なんだから(笑)」あーそうじゃないんだけどなぁ。ちょっと鬱陶しかった。

女子社員が忙しくしていても、平然と自分の作業を続ける同期男子

前の職場の同期男子。
会社の事務所に来客があったり、社長が本社に戻ったりすると、私たち女子社員が自分の仕事を中断し、我こそはとこぞって給湯室に走り、お茶を用意する。その傍ら、平然と自分のデスクで自分の作業を続ける同期男子。立て続けの来客でバタバタするとやっと腰を上げ、「何か手伝おうか」と一言。最初から来ないんだったらやらなくていいんだけど。

別の日、街頭でチラシ配りをその同期男子とする事になった時。「こういうのって、女子からの方が受け取って貰い易いんだよなあ」「えーもうそんなに捌けたの?やっぱり男が配っても女子には負けるわ(笑)」

でも、本当はその場で言い返したかった

ここからは私の反撃だ。

父に対して。家事は女だけのものじゃない。生活に関わる全ての人間がやるものじゃないか。いちいち出来不出来に文句言うなら自分でやれ。

元彼に対して。お店にはお店のやり方があるし、商品を大切に扱うのと、あなたに服の畳み方綺麗アピールするのは別次元だから。

元同期男子に対して。会社の来客をもてなしたり、お茶を入れるのは男でも女でも同じだろう。仕事暇とか言うてるなら忙しい女子同期に代わってやれや。チラシも受け取って貰えないのを性別のせいにするな。

あーすっきりした。でも、本当はその場で言い返したかった。なんですぐに言い返せなくて何年も燻らせてるんだろう。