かがみよかがみでは、「あの人に憧れて」をテーマにエッセイを募集しました。たくさんのご応募の中から、編集部が一番心に響いたエッセイを「かがみすと賞」として選ばせていただきました。

今回は、かがみすと賞1本、編集部選として2本のエッセイをご紹介いたします。

◆かがみすと賞

娘のために編んだ小さな靴下には、祖母の想いも込められている(横山すじこ)

あらすじ:祖母は編み物上手だった。私が生まれた時に編んでくれたロンパースがまだ手元にある。私も編み物をするようになったいま、ここにどれだけの時間と愛情が込められていたのだろうと思う。

◆担当編集者からのコメント

時間と手間をかけてつくりあげる編み物。幼い頃の小さなわがままとやり取りも印象的です。おばあさまが作った編み物の肌触りが伝わってくるようなエッセイでした。

大切な針で編んだ靴下を、私は娘にプレゼントする。そこに私の気持ちだけではなく、亡き祖母の想いも込められていると信じて。

今娘は7歳になった。私はまだ、編み物を続けている。祖母みたいに、愛を届けられる人になりたいから。

こういう形で、愛情が引き継がれているのがとても素敵だと思いました。

◆次点①

握った推しの手の生々しい感触は、彼が人間であることを教えてくれた(真夜中の朝型人間)

あらすじ:とある舞台で出会った俳優にノックアウトされ、虜に。その憧れの推しと、握手できる機会があると知った。夢が壊れるのが怖くて一瞬迷ったが、心の声には勝てずそのトークイベントに参加することに。期待と高揚感と緊張のなか、順番が来て…。

◆担当編集者からのコメント

推しとの距離が急に近くなるチャンスに、一度は「会いたくない」と思ってしまう部分に共感できます。

そして、人間が同じ人間の心を動かすことこそ、尚更凄くて、尊敬すべきことなんじゃないか。
推しは神様ではなくなったけれど、憧れの人であることに変わりはない。

生身の人間として尊敬して推し続けることは、神様のように崇拝するよりもとても健全で長続きする方法じゃないかな、と思い考えさせられるエッセイでした。

◆次点②

失った自信と本当の自分を、キラキラと演奏するあの人が呼び覚ました(あいたん)

あらすじ:小さい頃からヴァイオリン習っていたが、音大へは進まなかった。1年前に出会ったYouTuberはストリートピアノを演奏していた。キラキラした彼女の姿を見て「私ももっと音楽を楽しみたい」と思った。

◆担当編集者からのコメント

好きなことを好きなまま続けていくことって、案外難しいなあ、と思います。特に芸術分野はそうですよね。

今までずっと、楽譜と向き合って演奏してきた。楽譜に書かれた指示、記号の通りに、音を出す。
“あの人”は、耳コピして自分の身体に入った音楽を、自分と向き合って演奏する。

この部分はご自分も演奏者だったからこその一文ですね。新しい一歩を踏み出そうとするエッセイに、勇気をもらう読者も多いと思います。

以上、「あの人に憧れて」のかがみすと賞、編集部選の発表でした!たくさんの素敵なご投稿を、本当にありがとうございました。
現在募集中のテーマはこちらから。みなさまからのご投稿、お待ちしております!

エッセイのご投稿はこちら!