かがみよかがみでは、「愛が私を変えたこと」をテーマにエッセイを募集しました。たくさんのご応募の中から、編集部が一番心に響いたエッセイを「かがみすと賞」として選ばせていただきました。

今回は、かがみすと賞1本、次点として2本のエッセイをご紹介いたします。

◆かがみすと賞

母の作ってくれたお弁当は、あの時と変わらず茶色で、味がした(あめのち)

あらすじ:離婚して朝から夜まで働く母は、私にお弁当を作ってくれていた。おかずは冷凍のから揚げや肉団子、そして焦げた卵焼き。女子高生の私にとって茶色いお弁当はみすぼらしく、はずかしかった。そして大学の入学金などを捻出しようと働き出した私は、食費を減らすために自分でお弁当を作り始めた

◆担当編集者からのコメント

お母様の愛情、そして衝突しながらもお母様への想いが溢れるエッセイに、何度も胸にグッと迫りました。
特に茶色いお弁当の文句は言えても、大学を反対することに対して本音を吐露できないエピソードが印象的でした。思春期ならではの恥ずかしさや言えない気持ちはあっても、お母様の背中をずっとみていたあめのちさんの気持ち、そして娘に苦労してほしくないと思うお母様の親心どちらも痛いほど伝わり、読者も自分事のように感じるのではないかと思います。
そして、最後の、

仕事へ行く母に私はお弁当を作っている。
必ず卵焼きを入れている。時々焦がしてしまうこともある。

も印象的でした。親子って本当に素敵ですね。お互いに見守る愛を感じる締めくくりに、込み上げるものがありました。

◆次点①

試着もせずに買った個性的なシャツ。考古学者の気分で古着屋を楽しむ(あらた瑳古)

あらすじ:古着が好きだ。人の手を渡っていった、新品にはない歴史がある。そして次のページを、今度は自分が紡ぐのだ。知らない街に引っ越し、見つけた古着屋街。そこには私の求めていた個性がたくさん詰まっていた。そして見つけた一枚の派手なシャツを、私は試着もせずに買ったのだった。

◆担当編集者からのコメント

古着の持つロマン、楽しさが存分に伝わってくるエッセイで、読みながら私もわくわくしました!
私も古着が大好きで、新品にはない魅力が大好きです。さまざまな年代やテイストがある古着屋はまさに、「博物館」ですよね!
初めての古着を着るシーンが印象的でした。まさに古着の新しい歴史が始まる瞬間で、古着を着る醍醐味を感じました。

◆次点②

「私を信じて」。私が守ると必死だった彼女は、はるかに強い人だった(Sarry)

あらすじ:付き合い始めて3カ月、彼女が難病を抱えていることを知った。私に彼女を支えられるのか。私が彼女を守らなければ。そんな使命感でがんじがらめになった私は、新型コロナも流行するなか、彼女に厳しく接した。そしてある日、彼女から「別れよう」と言われてしまった。

◆担当編集者からのコメント

大好きなパートナーだからこそ守りたいSarryさんのお気持ちに共感し、そして「守る」と「信じる」ことの繋がりと違いを感じる文章に、大切な人を守る事の意味を改めて考えました。
私もSarryさんと同じように、大切な人だからこそ、つい敏感になってしまうと思います。パートナーの方の、

でも、私よりネットの内容だけで、私を判断しないで欲しい。

という言葉にハッとしました。管理するように守ることもできますが、信じて「見守る」こともできるし、信頼に繋がることを思い出すエッセイに、自分もそうありたいと強く思いました。!

以上、「愛が私を変えたこと」のかがみすと賞、次点の発表でした!たくさんの素敵なご投稿を、本当にありがとうございました。
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