私はずっと本命になれない女だった。(と少なくとも自分は感じていた)
大学時代は基本的に常に誰かと恋愛関係にある、又は今後発展しそうな雰囲気の男性がいたし、飲みに行けばナンパをされ、男性から連絡が来ることは珍しくなかったので友人からは「モテるね」と言われることもあった。
しかし、私は常に本命の女ではなかった。
私以外にもデート相手がいる人や、一晩の関係で終わる人、そして最も多かったのは私しか相手は居ないと言いつつも「正式な恋人」関係は今は求めていないんだという人ばかりが相手だった。
私は顔で男性を選んでいた
この君のことが好きで大切だけど「正式な恋人」は無理という人に限って私はズブズブはまってしまい、どうしても彼の公式な1番になりたかったが適当な言い訳をされる。でも好きになってしまったので自分から関係を断つことも出来ず、納得のいかないままそのよくわからないポジションから降りられないことが何度もあった。
しかし今思うと私自身も彼らのことが死ぬ程好きな訳ではなかったと思う。
ただ誰かの1番になりたかった、そしてそのことを公式に世間に公表したかった。そしてその誰かというのは、世間的に「イケメン」とされる男性たち。そう、私は顔で男性を選んでいた。
「ルックスが良いとされる彼らに選ばれた私」になりたいだけの、ただの承認欲求と他人にそれで自分の価値を証明したいエゴからくる恋愛感情が上手くいくはずもない。
当たり前だが毎回全然恋愛がうまくいかない、「最後の最後で選ばれない私」は本当に女性としての価値がないんだと落ち込み更に負のループ。その間に私と正式にお付き合いしたいと言ってくれる人もいたのに、あろうことか私はその人たちには目もくれなかった。
思い返すと小学校や中学校の頃からこの承認欲求はあり、その対象は恋愛ではなく友情だった。誰かの「親友」になりたかったのである。
ダラダラした恋愛に振り回されたくない、勉強に専念
全く私は恋愛だろうが友人だろうが自分のことしか見えていなかった。自分が自分自身を認めてあげていないのに他人に認めてもらうなんてなかなか無理な話だ。そして、ただ認めて欲しいという感情で自分に近づいてくる奴なんて対して面白くないに決まっている。
大学4年生の時にこれ以上ダラダラした恋愛に振り回されたくない!私は勉強するためにこんな遠くまで来たんだ!(イギリスに留学してました)と思い、留学生活最後の1年は恋愛はしないで勉強や自分のしたいことに専念すると心に誓い、そして実行した。
結果、今まで以上にクラスメイトと仲良くなれたし、本当に楽しく過ごすことができた。そして、そんな中で現在の恋人と交際が始まったのだった。
元カレからは「普通の服着てた方が可愛いよ」と言われてたけど
今まで無意識に好きな男に合わせた服装やメイクをしていたのを辞め、大好きなお花柄のワンピースに白タイツ、ピンクのファーコートにヒョウ柄の帽子など好きな格好をしまくって大学に通っていたら、その派手派手ファッションが可愛いと告白された。以前に男友達や元カレからも「男ウケが悪い。普通の服着てた方が可愛いよ」などとコメントされたことがあったので、自分の好きな格好を褒めてそれを好きと言ってくれる人がいるなんて感動した。
彼は正直見た目は全くタイプではなかったが、デートしてみたら性格があって、一緒にいて凄く楽しいし素敵な人。会えば会うほどドンドン好きになったし、好きになったらタイプでなかったはずの見た目も今じゃ毎日なんてかっこいいの!と思うくらい好きになった。花柄ワンピースのおかげで、こんな素敵な人と出会えてラッキーだったが、それ以上に自分の好きな自分になれて本当に良かったと思う。誰かの本命になる前に私は私自身の本命にならなくちゃいけなかったのだ。人生で1番付き合いが長い相手は家族や恋人ではなく自分自身ということを忘れずに、これからも私は私の本命でありたいと思う。
ペンネーム:Ruru Ruriko
イギリス留学中にファッション、アートを学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった女の子として生きることなどの疑問について書くようになる。現在はライター、翻訳家をしながら性について真面目に楽しくをコンセプトにしたセックスジンを企画。
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