「黒のカラコン入れて、目を大きくしてみたら?」
大学1年生の時、サークルで行った飲み会で、気になる男性からこう言われました。当時私は、透明なコンタクトをしていました。カラコン?名前しか聞いたことないし、自分の瞳に入れるのは抵抗があるなあ・・・そう思って黙っていたら、その男性が続けてこう言いました。
「カラコン入れたら絶対可愛くなるから。ね、入れてよ」
カラコンを入れたら、絶対可愛くなれる?本当?
気になる男性から言われると、ついドキッとしてしまうものです。
嬉しくなり、手に持っていたスマホでカラコンについて調べました。
黒目が小さい?怖く見える?
「黒目大きい方が絶対可愛いからサ。あなたは、黒目が小さくてちょっと怖いってゆうか」
じっと私の顔を見て、彼は言いました。
黒目が小さい?怖く見える?今までそんなこと自分で思ったことも、他人から言われたこともないけどなあ。と疑問を抱きましたが、彼が言うのならそうなのだろうと思い、カラコンを購入することにしました。
「どう?黒のカラコン入れてみたけど」
そう言って彼にカラコンを入れた姿を見せると、
「おお、めっちゃ可愛い!やっぱつけたほうが良いよ!」
すごく嬉しそうな表情でこう言われました。
めっちゃ可愛い。気になる男性から褒められて舞い上がった私は、
その日から毎日カラコンをつけるようになりました。
カラコンを外して、透明なコンタクトに戻りたい
「カラコンするなら、メイクもしなくちゃね」
「そうそう、すっぴんだとおかしいっしょ」
周りにいた女友達が、口々にこう言いました。
私は肌が荒れやすかったので、あまりお化粧はしていなかったのですが、
その言葉を聞いて渋々お化粧をすることに。
「まぶたの上にアイシャドウを乗せて、目のキワにアイラインを塗って・・・」
その日から、鏡とにらめっこをして化粧をするようになりました。
時々アイシャドウが目の中に入り、鋭い痛みがまぶたに走りました。
透明なコンタクトをつけている時も、同じ痛みを感じることはあったのですが、その2倍~3倍以上の大きな痛みを感じました。痛みのせいで、目が真っ赤になってしまうことも。
カラコンを外して、透明なコンタクトに戻りたい。
何度もそう思いましたが、そう思うたびに「黒目が小さくて怖い」という彼の言葉が蘇り、カラコンをやめることができませんでした。
その姿を見かねた女友達から「見た目の良さと両親からもらった大事な目、どっちが大事なの?」と説得され、3年経ってようやくカラコンをやめることができました。
どんな瞳でも、私は可愛い
「カラコン入れた方が可愛いんじゃない?」異性から言われたそのひと言がきっかけで、ずっとカラコンを使い続けていた私。特に深い意味はなく、軽い気持ちで言ったのかもしれません。しかし、私の心に鋭い棘を残しました。「私の瞳は小さくて怖いんだ」という気持ちは、今でも全く消えません。
現在カラコン依存症の人、コンタクトや眼鏡に戻したいと思っても戻せない人へ。「どんな瞳でも、私は可愛い」と、優しく自分に言い聞かせてあげてください。すべての女性が、ありのままの自分の瞳を愛せる世の中になることを心より願っています。