イヴ・サンローランの真っ赤な口紅。親友が、誕生日にくれた。きっと、私に似合うと言って。
うきうきで早速その日から付けた。自分で言うのもなんだけど、結構似合ってたと思う。
大事な日に身につけるのは、絶対に赤
私は赤が大好き。真っ赤なパンプスがお気に入りだし、真っ赤なバックも、真っ赤なワンピースもある。服装のどこかしらに赤を常に入れているし、大事な日(ドレスコードの日とか、デートの日とかね)は、もちろん赤の服。気分が上がらない時も、赤のアイテムを身につけて鏡の前に立つと、背筋がぴんと伸び、顔が自ずと上がった。
失恋した次の日の朝、涙で赤くなった目の縁をバレないように赤いシャドウを薄く塗り、唇には真っ赤なリップをつけた。そうした時に鏡を見て初めて笑えた。「こんな赤が似合ういい女フるなんてもったいなくない?」。赤は、いつも私の大事な時に一緒にいてくれたし、なんども救ってくれた。
るんるんで親友にもらった口紅をつけて出かけたある日、一緒に遊んでいたグループのうちの一人の男の人から言われた「下品な色。男ウケ悪いから、やめた方がいいよそれ」。顔を見るなりそう言われ、気分急降下。は?お前にそんなこと言われる筋合いないし。別にこっちはお前のためにやってるわけじゃないのに。その日はせっかく気分が上がってたのに最悪。
ちゃんと自分で決めたほうが、気分が上がると思うの
世の中にある、「男ウケファッション」。ナニソレオイシイノ?ていうかあれ、本当にみんな男の人が好きなんだろうか?
私はゆるふわシルエットの服よりもすっきりした服の方が好きだし、スニーカーよりはパンプスの方が好き。薄めのナチュラルメイクよりは、下まつげまでマスカラをしたい。
ありがたいことに、今まで私が付き合ってきた人たちは、私が私の好きなファッションでいることを喜んでくれる人たちだった。だから私はいつも自分の好きな格好をしてたし、私にとって最高の私でデートに行くわけだから、相手にとってもよかったはず(と信じたい)。
もしこれで、"男ウケファッション"を意識して、例えば私が白の肩出しニットに、淡い花柄のスカート(意識したことがないのでわからないけど、"男ウケ"ファッションのイメージ)なんて履いていった日には、そわそわしすぎてデートどころじゃない気がする。これ私らしくなくない?似合ってないよね?え、今通りすがりに笑ってた人、私の格好と顔が合ってなくて笑った!?とか思っちゃいそう。
別にいわゆる"男ウケ"ファッションが悪いわけじゃなくて、それを"自分に似合うから"や、"自分が好きだから"してるわけじゃないのがもったいないなと思う。"男ウケ"とされるファッションを、"男ウケするから"という理由ではなく、本当に好きな場合は問題ない。それにもちろん、たまに友達が勧めてくれた服を買ってみたり、彼氏が好きだっていう格好をしてみる時もあっていいと思う。でも最終的に「〇〇がこういってるから」、ではなく、「〇〇が勧めてくれた服を着た私が幸せになれるかどうか」で、ちゃんと自分で意思決定した方が、気分が上がるのではなかろうか。
私は今日も私にとってのラッキーカラーを身につける
私の先輩は、近くのコンビニに行くときでも絶対にすっぴんでいかないし、自分がお気に入りのブランドのバックで行く。え、わざわざそんなことするの?っていうような一手間を、誰かは時間の無駄って言うかもしれない。でも、その格好をしている間は自分の気分を上げてくれるし、その格好をしていない時は自分らしくいれない気がするのだ。
私は、今日も赤のリップに赤のハイヒールで出かける。だって、私のラッキーカラーは今日も赤だから。