漫画なら3ページで終わる恋はもうしない。理想の未来に近づく行動を

高校生の頃、同じクラスの男子に一目惚れから始まった片思いをしていた。でも、話しかける勇気がなくて、毎日見ているだけだった。「朝、下駄箱で偶然会って挨拶してくれないかな」「修学旅行のグループ分けで同じ班にならないかな」「なんなら私のこと好きになってくれないかな」なんて、文章にするのが恥ずかしいくらい、妄想500%の幸運な偶然を祈る毎日だった。
恋愛の神様がそんな厚かましい私の願いを叶えるはずもなく、私の祈りが現実になることはなかった。春夏秋冬祈っているうちにあっという間に1年たった。その間に私が彼と話したのは片手で数えるくらい。
相変わらず祈り続ける毎日の中、少女漫画が好きで、よく読んでいた当時の私はふとこう思った。「私が主人公の漫画があったら、彼を好きになってから今日まで、3ページくらいで終わるんじゃないか…?」
少女漫画って毎日いろんなことが起こっていて、何十巻も出ているのに1年たっていなかったり、1巻で1日終わってなかったりなんてざらにある。
なのに、私ときたら
1ページ目…彼と同じクラスになる
2ページ目…彼を好きになった自分に気づく
3ページ目…毎日彼を目で追う。話しかけはしない(この状態で1年)
で書き上げられるよね?え、そんな漫画誰が買う??
当時の私は「勇気がない」ことを言い訳にしていたけど、つまりは失敗が怖かったのだ。話しかけて嫌な顔をされたらどうしよう、こんな私が男子に話しかけるなんて恥ずかしい…そんな言葉を並べて、勇気がないもんしょうがないよね、って自分に言い聞かせていた。でも、帰宅途中の坂道で、「ああ、今日も話しかけられなかった」って毎日後悔をしていた。
心の底ではそんな自分に嫌気がさしていたのだ。
恋愛以外にも言えることだけど、やっぱり、行動することこそが自分の人生を変えるものだと思う。毎日がつまらない、何か楽しいことが起きないかな、という声をSNSや実生活でよく聞く。その気持ちはとてもよく分かるし、私も思ってしまうことがある。
でも、願っているだけで楽しいことが向こうからやってくる。そんなことってほとんどない。だから、「何か楽しいことないかなあ」なんて神様に祈って待つだけの受け身の姿勢をやめて、つまらないなら自分で楽しいことを探す、少しでも興味のあるイベントに参加してみる。そんな小さな一歩を踏み出してみることの方が、よっぽど楽しい未来に近づけるのではなかろうか。
今でも「思い立ったら即行動!」というタイプの人間にはなれていない。何かと理由をつけて行動をしない自分も、行動するのに大きな勇気が必要な自分も完全にいなくなったわけじゃない。でも、そんな自分であることを認めて、3㎝でもいいから理想の未来に近づく行動をしよう、そんな意識で生きている。
せっかくだから、漫画にしたら「面白くて朝まで夢中で読んでしまう」そんな人生を送りたいのだ。
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