「お金との距離感」かがみすと賞&編集部選を発表!
かがみよかがみ編集部では、5月から6月にかけて、「お金との距離感」をテーマにエッセイを募集しました。たくさんのご応募の中から、編集部が一番心に響いたエッセイを「かがみすと賞」として選ばせていただきました。今回も編集部の溝上から発表します。
かがみよかがみ編集部では、5月から6月にかけて、「お金との距離感」をテーマにエッセイを募集しました。たくさんのご応募の中から、編集部が一番心に響いたエッセイを「かがみすと賞」として選ばせていただきました。今回も編集部の溝上から発表します。
今回もたくさんのご応募ありがとうございました!
お金に対する考え方や価値観って、人によってこんなにも違うんだなぁと驚きつつも楽しく読ませていただきました。
どうしても、金銭感覚は自分が育ってきた環境が基準になってしまいます。家が裕福かどうかだけでなく、育ったのが都市部なのか田舎なのか、学校は私立なのか公立なのか、きょうだいの有無、周りの友達…。
だからこそ、エッセイを読むごとに新しい発見があると同時に、「私って結構倹約家なのかも」「お金に対して緩いとこあるのかも」などなど、自分のお金に対する価値観を見直すきっかけにもなりました。
それではさっそく、かがみすと賞1本と編集部選4本を発表していきましょう!
各タイトルをクリックすると、それぞれの記事に飛べますのでぜひ読んでみてくださいね。
幼い頃、めちゃくちゃケチだったというりあさんの価値観がだんだんと変わっていく様子を綴ったこちらのエッセイ。
「お母さん、このクレープが600円でしょ。だったら、私日曜日に半額でスーパーカップを10個買いたい」
冒頭、遊園地でお母さんが「クレープ食べる?」と聞いたときのこの返答がとってもかわいい。そして共感。(私もこういうこと言う子どもだった…)
身近なもので価値を測るというのが小さい頃ならではで、この「お金との距離感」に編集部からも共感の声が上がりました。
その後、大学で仲良くなった友達と旅行に行ったことで、「残るものにお金を払ったほうがいいでしょ」と考えていたりあさんの価値観はガラリと変わります。
ちょっといい旅館に泊まって、美味しい料理を食べる。その時の体験は、その後の人生をプラスにしてくれるよ、その場限りのものなんかじゃない。
この友達の言葉がとっても素敵。そして、その意見を尊重して、「『モノ』ではなく『体験』にお金を使う」という友達の価値観も受け入れていくりあさんも素敵です。
自分とは違う価値観に気付かせてくれる友達がいるっていいなぁと素直に羨ましく思いました!
今回も編集部選として、4本、ご紹介します!
自分の夢に蓋をして、普通の正社員として働いていたあやかさん。
1年ほど働いた頃、ふとこんな思いが浮かんできたといいます。
何のために働いてるのだろうか。お金はあるのにどうして。
この感情、私もがむしゃらに働いていた時にあったかも、と読みながら思い出しました。あやかさんと同じような思いを抱いたことがある人もきっと多いんじゃないかなと思います。
お金をもらえるのは嬉しいけど、なんだか満たされない…そんな思いが伝わってきます。
現在、あやかさんは正社員を辞めて転職し、夢に向かって頑張っているそう。
エッセイの最後は、こんな前向きな言葉で結ばれています。
もし大学時代の私に今会うことができるのであれば、こう言うだろう。
正社員が全てじゃない。お金があっても幸せじゃない。夢を諦めず追いかけてほしいと。
正社員を経験したあやかさんだからこそ、この言葉がすごく響きます。
もちろん正社員として働くことも素敵なことなのですが、進路に少しでも迷っている人がいれば、ぜひ読んでもらいたいエッセイです。
恋人と金銭感覚が合うことは大事!というのが、バシバシ伝わってきます。
ゆずさんの実体験が書かれているからこそ、めちゃくちゃ説得力があるんですよね。
彼らは高級レストランの食事を予約してくれ、高級なホテルの宿泊と高級なプレゼントを用意してくれる。まさに完璧な記念日だ。
しかし、それは徐々にお返しへの期待という暴力に変わってくる。これだけお金を使ったのだから、という暴力だ。
めっちゃ分かる〜〜!と個人的にとても共感しました。「お返しへの期待」も怖いし、「こんなにお金を使ってもらっていいのか…」となんだか萎縮しちゃうんですよね…。
さらにゆずさんは、彼に嫌われたくないがため、金銭感覚を合わせようと欲しくないものを買ってしまうこともあったのだとか。
このエッセイを書いていると「本当に私は何をしていたんだ」と冷静になれるのだが、当時はまるっきりダメなのだ。自分が無理をしている、おかしなことをしていることに気付けないのだ。
この感覚にもとっても共感。あとで思い返すと「あれ?おかしくない?」って思えるのに、その時はわからないんですよね。恋愛中のバグなんでしょうか…。
他にも「金銭感覚合わないエピソード」が多数書かれているので、ぜひ参考に(?)してください!
私は多分、世間で言ういわゆる“だめんず・うぉ~か~”と呼ばれるタイプの女だ。
えっ、表現が古い?そうか、ならもっと包み隠さず言うと、多分“ヒモ飼い”というやつだ。
冒頭からパンチの強い文言が並ぶこちらのエッセイ。
“ヒモ飼い”宣言におおぉ…と動揺しますが、読み進めていくと曽我美なつめさんの考えや芯の強さになるほどと思わされました。
私が彼に美味しいご飯を食べて欲しかったから、私が一緒に映画を見に行きたいだけだから、私が彼と楽しいお酒を飲みたかったから。私が彼にお金を出していた理由は、それ以上でも以下でもない。他者にとやかく言われたり邪推されるような可哀想な状況は、私と彼の間には一切ないのだ。
本人たちが納得しているのなら、どんな関係性であれいいんだよなと、そんな当たり前のことを改めて考えました。ていうか、なんとなく世間では“ヒモ”ってマイナスイメージが先行している気がしますが、べつに悪いことではないよね…?(どちらかが不幸なら良くないけど)
行動原理としては、二次元でも三次元でも“推し”に課金しているタイプの人たちと近いような気がしている。彼を推すことを選んだのは私の意志だし、私は幸せそうな推しが見たいから、その手段が課金であっただけの話。
あと、個人的にはこの説明がすごく腑に落ちました。オタク気質の人には分かりやすい例え!
今はその彼とご結婚されているようですが、ここまで読んでちょっと心配に感じたり違和感を感じた方こそ、ぜひ全文読んでみてくださいね!
やってみたほうがいいのは分かってるけど後回しにしがちな投資に、ぽんっとトライするフットワークの軽さが素敵!
私も少し前に株を始めたこともあり、とても共感しながら読みました。
投資するものが違うだけで、恋人と株式投資はどこか似ている。恋人との付き合い方に、株式投資の基礎的な考え方は活かした方がいいのかもしれないと思うこともある。
なんとも秀逸な例えに唸りました。確かに、恋人と付き合うことも自分の感情や時間、金銭の投資とも言えますよね。
株式投資を始めて2年が経ち、読み飛ばしていた新聞の経済面にも目を通すようになった。自分の保有している株と関連のありそうなニュースが目に飛び込んでくるようになった。「日経平均株価は――」、毎日聞こえるあの抑揚が、ちゃんと自分ごとのように聴こえるようになった。
内海あささんが行動したからこその変化ですよね。自分を変えようと行動する姿勢がすごく素敵です。私も見習おうと思いました…!
また、全体を通して、専門用語をそれほど使うこともなく、株の知識がなくてもスラスラと読めるところもよかったです!
以上、「お金との距離感」のかがみすと賞の発表でした!
現在は、「結婚、どう思う?」「私を変えたひとこと」「あの人に謝りたいこと」のテーマで募集しております!
ご投稿、お待ちしております!
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。