かがみよかがみでは、「『元気』のためにしてること」をテーマにエッセイを募集しました。たくさんのご応募の中から、編集部が一番心に響いたエッセイを「かがみすと賞」として選ばせていただきました。

今回は、かがみすと賞1本、編集部選として2本のエッセイをご紹介いたします。

◆かがみすと賞

風を切るのは私で、汗は生きている証拠。走ることは私を特別にするえりー

あらすじ:普段はどこにでもいる、替えの効く組織のピースでしかない私。でも走って自分の限界を越えるときは「特別」だ。風を切って走るとき、私はたしかに生きている。

◆担当編集者からのコメント

日常の繰り返しのなかで感じる無力感。幼い頃には持っていた「何者か」になる希望が、大人になるにつれしぼんでいく悲しさ。でもそこで終わらずに「何か一つ」と前向きに考えるえりーさんが素敵だと思いました。

日常を送る中で、常に考え事をしている自分にとって、走る時間は「無の境地」であり、それは走る辛さよりむしろ考えなくて良いという楽な時間であった。

自分の体を動かして頭をからっぽにすること。スポーツってこうやって楽しめば良いんだ、というのが伝わり、自分も走ってみようかな、と思わせてくれるエッセイでした。

◆次点①

「帰ります」が言えなかったあの頃。自分を元気にできるのは自分だけきゃま

あらすじ:感情の波にのまれ、会社に行けなくなった。「頑張るのをやめる気はないですか」と言うカウンセラーのアドバイス。上司に「調子が悪いので帰ります」と言うことから始めた。

◆担当編集者からのコメント

長い時間をかけて身についてしまった「考え方のクセ」を変えること、さらに自分の行動を変えることってなかなか大変です。

1度目、周りの目が気になって、怖くて、次に出勤出来なくなったらどうしようと思った。
2度目、有休が取れた後にホッとしている自分に気付いた。
3度目、上司が私の意図に気付いて、「いいと思う」と声を掛けてくれた。
そうやって回数を重ねるごとに自分の心が軽くなり、うつむきがちだった目線が少しずつ上がってきていた。

自分のために少しずつトライしていく様子が、とても参考になりましたし、励まされ、応援したくなりました。

◆次点②

失恋から立ち直らせてくれたのは、私なんか見ていない太陽の塔だった夏花

あらすじ:初めて出来た彼氏に突然振られた。友人たちが私を慰め、元気づけようとあらゆることをしてくれたのに、全く効き目がなかった。そんなとき、友人に誘われて遠出して「彼」に出会ったのだ。

◆担当編集者からのコメント

失恋すると、自分を否定されたようで、自分の何が悪かったのをあれこれ考えてしまう様子に共感しました。

誰かと一緒にいるときは明るく振る舞えても、一人になった瞬間に、ともすれば余計に孤独を感じることもあった。
このままではいけない。こんな自分は嫌だ。

そんな夏花さんを立ち直らせてくれたのは、意外なものだったんですね。生命力あふれる「太陽の塔」を見に行きたくなりました。

以上、「『元気』のためにしてること」のかがみすと賞、編集部選の発表でした!たくさんの素敵なご投稿を、本当にありがとうございました。
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