誰にでも感情の波がある。ただ私は他の人よりその波が大きいだけだった。
社会人2年目の頃、会社に行けなくなり休職をした。
その後、復職はすぐにできたが、来る日も来る日も感情の波に飲み込まれ、仕事は休みがちで頑張って出勤しても隠れて泣いていた。
あれから3年がたった今、薬もカウンセリングも不要になり、昇進だってできた。
心掛けたことはただひとつ、「有休を取る」こと。
頑張るのをやめる気はないですか?原点になったカウンセラーの言葉
当時の私は、自分の感情のコントロールができず、突然落ち込んで制御不能になることばかりだった。何か悲しいことや嫌なことがあったわけではないのに、突然涙が出る、今いる場所から逃げ出したくなる、そんな事がよくあった。
最初はその波に必死に抗った。私は大丈夫だ、強い、落ち込んでる場合じゃない、誰でもこんな気持ちになる、そう思い込んで必死に仕事に食らいついた。
そしてそんな事がある度に、ネット検索をしては、世の中に散らばっている元気を取り戻す方法を試した。
でもどれも私には合わなくて、眠れない日々が続いた。
そしてすぐに私はまた出勤できなくなり、号泣しながら上司に「会社に行けません」と伝え、そのままカウンセリングに向かった。
「頑張るのをやめる気はないですか」
このカウンセラーの言葉が私の原点だと思う。
ずっと私は頑張っているつもりはなかったし、人より頑張っていない自分が嫌で自分を責め続けていた。だから最初は言われている意味が分からなかった。
でも元気を取り戻した今ならわかる。
日々生活すること、毎日を生きること、それが頑張っているってことを。
「調子が悪いので帰る」を伝えることは勇気がいることで容易じゃない
ただその当時、頑張ることをやめる方法が分からなかった私は、自分の感情の波にのることにしてみた。方法は簡単で、上司にただ一言、「調子が悪いので帰ります」と伝える。
最初はその勇気が出なかった。出せなかった。社会人が何を言ってるんだ、と怒られるのが怖かった。自分で決めたからには、と思っても、実践することは容易ではなかった。
そんな時は心の中で「自分を元気にできるのは自分だけ」と唱えた。
1度目、周りの目が気になって、怖くて、次に出勤出来なくなったらどうしようと思った。
2度目、有休が取れた後にホッとしている自分に気付いた。
3度目、上司が私の意図に気付いて、「いいと思う」と声を掛けてくれた。
そうやって回数を重ねるごとに自分の心が軽くなり、うつむきがちだった目線が少しずつ上がってきていた。
そんな生活を続けて2年が経ったある晴天の日。
その日も沈みがちな気持ちを察知し、有休を取った。お家でゆっくりしよう、と思いながらとぼとぼ歩いていて気付いた。
「空が青い」と。
有給を取っても誰も何も言わない。自分を元気にできるのは自分だけ
休職したあの時から私の目の前は暗くて、空が青いと思ったことがなかったと、その時にやっと気付いた。約2年ぶりに取り戻した空の青さ、私の人生で1番の青空だった。
そしてこれが、定期的に通っていたカウンセリングが終わる合図になった。
この日を境に私の感情の波が小さくなり、お医者様、カウンセラー、そして私の意思、全員の意見が一致してカウンセリングが終了した。
今でも感情の波はあるし、どうしようもなく悲しくなる日もある。でももう私は以前のように不安になったり、不必要に怖くなったりしない。
私は知っている。有休を取っても誰も何も言わない。
でもそれは嫌な意味ではなく、「分かっているからゆっくり休め」という無言の了承なのである。
自分を元気にできるのは自分だけと唱えて、今日も有休取得。